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第6話「シャンパンで未来を描く」


キラキラと泡が弾ける音は

未来の鐘の音に聞こえた。


彼のために開いたシャンパン。

その塔の一番上には

わたしと彼の理想がのっていた。


「いつかさ、店辞めて一緒に暮らしたいな」

酔ったように甘い声。

いや、酔っていたのはわたしだけだった。


「君といると、落ち着くんだよ」

その一言のためなら

給料日の数字なんて怖くない。


彼の瞳に映りたい。

彼の未来の中にいたい。

その想いが、借金という翼を生やした。


わたしは飛んでいるつもりだった。


気づかなかった。

それは上昇ではなく

真っ逆さまの落下だということに。


「またシャンパン入れてくれるの?約束な」


軽く言われたその言葉は

指輪の交換みたいに感じられた。


「彼を支えるのは私」

胸を張ってそう思えた。


だけど本当は

わたしの支えがなければ

彼の売上が困るだけ。


恋は盲目。

そして金銭感覚も盲目にした。


煌めく泡が消えるたび

彼との未来が近づいている気がした。


今思えば、その泡は

夢が破裂する音だったのかもしれない。



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