第3話
――葵と文月――
学校に着いた。
よし、真白を探そう!
っといきごんでみたが、ここで重大なことに気づく。
(あれ?真白って2年生だって言ってたよな?何組だ?)
俺はもう、1年以上この若葉高校にいるが
あの子のことは見たことがない。
見ていたら気づくはずだよな。あんな可愛い子。
「ん――――――――!?」
あぁなんで俺は気づかなかったんだ
どんだけ浮かれてたんだよ俺…
急に恥ずかしくなってきた
………とりあえず、職員室で先生にでも聞いてくるかな………
冷静になってそうすることにした。
階段を登り職員室に向かう廊下の途中、
「おーーーーーい!あっおいぃ!おっはよーーう!」
妙に長いあいさつ。そしてバカ丸出しの声がした…
「おーす」
「あっれれぇん?今日は機嫌いいねぇ!あはははは!!!
なにかいいことあったのぉ!?
ていうか、教室逆方向だよぉ!どこ行くのぉ??」
っく…。
朝からハイテンションなこいつは廿楽文月。
俺の知る中で一番あほな…いや、あほというよりは
頭のネジが何本か外れている男だ。
中学のときに部活が一緒で仲良くなった。
「ん~。ちょっと職員室にな」
「え!!??しょしょしょ、職員室だってぇぇ!!???」
驚きを表すポーズなのか
片足を前に上げて両手を胸の前でクロスしている。
「なんでそんなに驚くんだよ」
「だって職員室ってあれだよーー!
先生がたくさんいるティーチャージャングルアイランドだよぅ!
そんな危険地域に何用でございますか!!??
あ!呼び出されかな!呼び出されたんだね!
何で呼び出されたの!?性格の問題で呼び出されたのか!?
そーだよね!その歪んだ自分への愛がクラスに悪影響だからってぇ
そんな理由でしょ!
大丈夫だよ!僕はそんな自己愛爆発の葵ちゃんと
今までどーりに友達でいてあげるからね!
って、あいたたたたた!頭もげるってぶぁ!
その頭に付き立てられた拳を収めてーーーー!」
「誰が性格の問題で呼び出されるかぁぁぁぁ!」
「ぎゃははははははっっ!」
何がおかしいんだこいつは。
ったく。
「俺はちょっと用事だよ。呼び出し以外でも
職員室ぐらい行くさ」
「えぇ~用ってなにさぁ~気になるなぁもー」
「えへへ、ちょっとな。
お前は先に教室行ってろよー。文月」
そう言い残して俺は止まってい足を動かそうとした
が、
「赤神、お前も教室行くんだよ」
何かにぶつかった。
「あ!中池先生!おっはぁ~!」
「おはよう、廿楽。…おっはぁ、はねーだろ」
中池総汰先生、俺と廿楽の担任教師で社会科顧問。
「っと、そんなことはいいから、もうチャイム鳴るぞ。
教室に行った行った~。」
「えっ!」
思わず声を上げた!
いつもより早く出たと思ったのに…
「あんれれぇん。もむそんな時間なんだねぇ。
じゃぁ早く行こうよ葵ちゃん!」
文月が俺の腕を引っ張る!
「ちょ、ちょっと待て文月!俺は職員室にぃ…
っていうか中池でもいいから話が!
だぁら、放せ馬鹿ーーー!」
だが放してはくれない!
「あぁぁぁーーーーーーーーー…真白~…」