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第2話
――葵と傘――
朝。7時20分ちょい前。
毎朝の日課のお天気ニュース。
もとい、お天気お姉さん。
でも、今の俺には、
お天気お姉さんが視界に入ってこない。
あんなに毎朝ガン見してたのに。
あんなに可愛いって見てたのに。
「って、のんきなこと考えてる場合じゃねぇ!
時間が…もう行かなきゃやべーな!」
そして、テレビの電源を消し、
出発しようとした。
だが、ひとつ忘れ物。
朝食用のテーブルの上に
おいてある‘ソレ,
「これ忘れちゃ今日学校行く意味ねーよな」
‘ソレ,を手にると、思わずニヤケル。
フリフリでピンクのウサギの傘。
そう、昨日真白が貸してくれたものだ!
それを大事に通学用のエナメルバックの中に入れ
俺は学校に向かった。