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ふろーれん  作者: 村青 雨京
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Act3 Scene1 アイドルからの電話

そんな大事件を親友がおこしていた時、聡はゼミのプレゼンを終えて大学から帰宅しようとしていた。当然のことながらプレゼンはとても退屈だった。

聡の専攻は、情報工学で父親とは全く違う分野の勉強をしていた。情報工学自体に興味はあるのだが、今日に限っては握手会のことで頭がいっぱいだった。 特にイラつくことは、孝雄だけが握手会に行くことができ、自分は行けなかったことだ。 帰ったらすぐに孝雄に連絡を取り、かつ呼び出して事情聴取をする必要があった。

 そんな気持ちで大股で歩いて帰っていると、まだ握手会が行われているであろうと思われる時間に孝雄からの電話が鳴り出した。

「なんだ孝雄かぁ! この野郎、自分だけ握手会行きやがって!」

聡は最初から怒りをぶつけながら会話し始めた。

「孝雄なのあたしは? あなたは天野聡さん? 携帯の着信があなたの名前しかないの?」

孝雄が、いきなりオカマっぽいしゃべりをするので、完全に拍子抜けになった。かつからかわれてイライラした。孝雄ばっかりサイン会楽しみやがって! という感情が込み上げてきた。そんな聡の気持ちとウラハラに孝雄の悪ふざけが止まらなかった。

「あなたは誰? 私の友達よね? ねえ教えて私はどうなったの? 私が本当に孝雄な

の?」

「はぁ? なんだ? なんで女みたいにしゃべってるの?」

多分、握手会でとてもいい事があったのだろう! と聡は思った。

孝雄は時々調子に乗ると突拍子もないことをする。だからその(たぐい)の行動だと思われた。

「よくわからないけど! あなた私の友達よね? 親友なの私って?」

「まあ親友っていえば、まあ親友だろうけど、、、よく分からないけど?」

確かに孝雄は親友なのかもしれないが、オカマ調でふざけて言われても困るのだ。

「もしもし、あなたが親友なら助けて欲しいの? とにかく今から私がいる場所に来て!」

「え。あのもちろん知ってると思うけど! さっきプレゼン終わったばかりなんだけど」

「早く来てくれなきゃ。私死ぬわ? 本気よ!」

孝雄は、ふざけた馬鹿な奴なので、放っておいても良かったのだが、どっちみち握手会の話が聞きたかった。

「は? 分かったよ、行くよ!」 

「ありがとう! 待ってるから、場所はすぐ送るから」 

「なんでそんなーーー」と、ふざけている理由を聞こうとしたが、言い終わらないうちに電話をヤツは切った。そして、スマホで駅前のバーガーキングの地図が送られてきた。聡は悪ふざけに腹が立ったので、いつもより急足(いそぎあし)で待ち合わせの場所に向かった

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