名作ゲームを実況したら好きなヒロインが暴走するだけの話
謎テンションで書いたので
誤字脱字等が多分ありますが
仕様です
「はい、今日はいつもの縛りプレイをやっていきますよ。今日プレイするタイトルはこちら。そう皆さん大好きなHidden Explosion5……略してHでエロ5ですね」
俺はカメラに見せつけるようにゲームのパッケージをかざす。
いつもの作業なのでもう慣れたものだ。最初のうちはカメラが人物を優先する設定に気が付かなくてピンボケしたりしたのもいい思い出である。
「有名タイトルなので必要ないかもしれませんが、念のため少し説明をしておくと。地球と隣り合った世界が原因不明の爆発により崩壊。その余波で少しずつファンタジー化していく世界で過ごす少年少女の物語です」
まあ正直俺のコンテンツを見に来るようなやつでこれを知らないやつなんてほとんどいないとは思うが念のためだ。
以前めんどくさくて省いたら、丁度長期休暇中だったこともあってか変なあらしが沸いて。それ以来一応軽く説明することにしている。
「少しずつとは言っても5作目ともなると、普通に魔法学校とかもありすっかりファンタジーが定着した地球なんですよね。んで、その魔法学園に通う少年少女の話なわけなんですが……」
そこで一回話を切ると画面上にメインキャラの設定を表示する。
まず主人公の落ちこぼれの少年。とは言ってもよくある落ちこぼれ詐欺だな。
最初こそ少し能力が低いが、途中で覚醒すると攻守に渡って強い万能オールマイティーキャラになる。
「ご存じハーレム系主人公ですね。なんというか王道過ぎて特徴がないのが特徴みたいなやつです。こいつをこの間偶然見つけたバグを使って性転換させます。そう異性と交流し愛情度を高めることで、その相手の特殊能力を使えるという主人公の最大の能力を封印するんですね。そして清楚先輩が主人公に置き換わります」
さっきの主人公を画面から消して代わりに3のメインヒロイン通称『清楚先輩』を表示させる。
っていうか開発者も何を考えてこんなデータを入れたんだろうな?
隠しコマンドを入れることで主人公と置き換わるこの先輩だが。5には一切出てこない。ストーリー上で一切絡むこともないのにデータだけ何故か存在する。
製作者に先輩を好きなやつでもいたんだろうか? 歴代のヒロインでも特に目立ってたわけでもないしな。
というか3はサブヒロインが強すぎた……
清楚先輩はありがちなヒロインだし特に強いわけでもない。3のメインヒーラーで回復職としては最強だが、正直いなくても何とかなる。
その癖ストーリー上パーティーからの離脱負荷。一方3のエロ担当ことサブヒロインはこいつのライバルと言うか悪役令嬢的な立ち位置のせいで隠しイベントを見ないと仲間にならない。
それでもなおメインヒロインを食う程の存在感とチート染みた強さで全てを奪っていったサブヒロインぇ。
「ふっふっふ、皆さん知らなかったでしょう? これを見つけたとき思わずネットでかなり検索しましたが出てこなかったので恐らく俺が最初に見つけたんじゃないかな? というわけでスパチャで俺を讃えてもいいんですよ皆さん」
おお、過去一でコメントが伸びてる。
ふっふっふ。
「おお、冗談で言ったのにスパチャ334円ありがとうございます半袖臣下さん。というかもっとくれても良いんですよ?」
そんな感じで暫くやり取りをする。
「はいはい。それではここら辺にして本編に戻りますね」
また画面を切り替えると5のメインヒロインを3人のうち2人を表示させる。
メインヒロイン一人目は今作最速の痴女……もといやけに装甲と胸部の薄い侍娘だ。
脱げば脱ぐほど強くなるとでも言いたげな古き良き忍者を連想させるが何故か侍という少女。
さらしとふんどしで身を守り身長以上の長さの刀を大事そうに抱えたキャラだが。実はこのキャラには重大な問題がある。
「えーここで皆さんには残念なお知らせですが。画面上にキャラを表示してないことからもわかってるかもしれません。こいつは配信では使えません。大手の配信でこのゲームをやった時の性的な表現によりバンされたのは有名な事件ですからね。というか、物凄いシリアスな場面で魔物に囲まれた主人公を助けに来る先輩ってシーンでなんでバンされなきゃならないんですかね? 正直公式の頭が沸いてます」
まあ仕方がないので昔クレーンゲームで取った変な牛のぬいぐるみを表示させる。
「はい、痴女なんていなかった。ということでこいつが登場するシーンでは代わりにこの変な牛を表示することにします。ほら、喜べ待望の巨乳化だぞ!! というか、こいつについては何と言われようがこのチャンネルを守るためにこの決定は変更できません。いや、実は最初はモザイクで切り抜けようとしたんですよ。でも、ここの運営は画面の編集するの認めてないんですよ。というわけで力業でいきます」
「まあ存在がエロいことくらいしか特徴のないキャラですからね。その最高の特徴を奪うという縛りということで……だめですかね?」
コメントがさっきとは別の意味ですごい勢いで流れていくが、もうこれについては無視する方向で。
いや、俺だって気持ちわかるもの。
これについては運営がおかしいということで。
2人目に無理やり進もう。
「巨乳目隠しっ子ですね。不自然に長い前髪で目元を隠して、本を抱えたいかにも文学少女って感じの娘ですね。実は結構な秘密を抱えてるんですが、ネタバレになるのでここでは詳しく紹介しません。まあそんなに強いキャラでもないのでこいつはそのままで良いでしょう。え? かなりの強キャラなのに強さが制限されてない痴女がいるって? そいつはもう忘れて下さい」
あっさりと二人目のキャラを消すと3人目に移行する。
俺の今作一番の推しでもあるこいつだが、今作のチート枠でもあったりする。
「薄幸の美少女です。異論は認めません。子供の頃から天才と言われ続け、敵からの陰謀で実家を没落させられ。幼馴染達からもいじめられているんですが、それでも下を向かず誰も恨まずけなげに皆を救い続けます。いや、後半のイベントなんて涙無しには見れないほど良いストーリーで……」
やばい、少し語りすぎてしまったかもしれない。
いやいや、この程度ではこのキャラの魅力の10分の1も語れてないのでまあ仕方がないだろう。
「こいつはバッファー兼回復役なんですが。今作のバフが強すぎるんですよ。正直回復は侍か目隠し娘をアイテム係にしてこいつはバフをばらまくのに集中したほうがいいレベルです。こいつのバフのありなしでラスボスの討伐時間が2~3倍は変わるのは有名ですね」
こいつのバフを受けるとサブキャラの鈍足タンクが侍娘よりも先に行動したり、魔法キャラである目隠しの通常攻撃が侍の通常攻撃に匹敵するダメージをたたき出す。
まあ技がないから流石に侍か主人公にバフかけて殴ったほうが強いが……
「というわけで、伝説となった同人時代の作品である1なんですが。この作品のセーブデータ読み込み特典があるんですね。有名なんですが実際に持ってる人はほぼいないあれです。その特典の転職のオーブを使って聖女から魔物使いに転職させます。そう、有名な下剋上イベントのフラグですね。魔の力にのまれた元聖女のはじけかたは伝説でしょう」
うん、色々長くなりましたが。そろそろゲーム本編に入りますね。
「ダウンロードコンテンツを読み込みました。過去作のデータを読み込みました。クリアデータを読み込みました。隠しコマンド確認しました裏シナリオを開始します」
お父様の不審死から始まった我が家の没落の時に匹敵するほどの悪夢で目を覚ます。
知らない人達と協力して私の親友達を殺す夢。
夢の中の私は何の疑問も持たずに親友達を殺し、親友達も私を憎悪に満ちた目で見つめてくる。
家が没落する以前から良くして貰っている私の大事な大事な二人の親友。
恐らく家からは没落した私などと関わるなと言われている筈。その証拠に言葉では私につらくあたろうとするんですよ。
でも、優しいあの二人は口と行動が一致しないんですよね。
それにあの目だ。
夢の中の二人とは似ても似つかないあの目。
あの目があるから私は二人が何を言ってこようが二人の事を信じられるし、二人が今でも親友なんだと感じられる。
この間だって綾香さんったら。
そう、私の大事な親友の一人の真宮寺 綾香さんのこの間の行動なんですが。
「ふん、みすぼらしい方がいらっしゃったわ。貴女のような方がいつまでこの学園にいらっしゃるのかしら? 大体何かしらこのみすぼらしい上履きは。こんなものゴミ箱にでも捨てておしまいなさい」
そう言って下駄箱に入ってた私の上履きを捨ててしまわれたのですが。代わりにサイズがぴったりな新品の上履きが私の下駄箱に入っていたんですよね。
この間だって私の筆箱がゴミ箱に入ってたことがあったんですが、真宮寺家の家紋入りの立派な筆箱が代わりに私の机の中に入っていたんですから。
しかもその事を伝えても、知らんぷりをなされて。家紋入りの筆箱なんて分かりやすい事をなさるくせにおかしくてつい笑いそうになってしまったわ。
おかげで最近の私が身に着けてるものが真宮寺家の家紋入りばかりで。
まるで私が真宮寺家に嫁いだかのようですわよ。
最初のうちは私だって遠慮して断ろうとしたんですが、断った時のあのぞっとする目。
そうだ……あれは……あの夢で見た目じゃなかったか?
いや、違う綾香様は私の大好きな人だ。そんな目で私を見る筈がない。
だから私は嬉しさを誤魔化すために最初そんな気もないのに断ったんだから。
綾香様のプレゼントを本心で断るわけないのに。
そして、それを初めて身につけた時のあの嬉しそうな目。
うんやっぱり私の大好きな綾香様の目だ。
もう一人の親友である花京院 麗佳様だって。
普段私の事を無視なさろうとするくせに、しょっちゅう私の事を見ているし。目が合うと顔を赤くして慌てて目をそらすんですよ。
なんか可哀そうになるくらい無視とか似合わないんですよあの方は。
そもそも知ってるんですよ。
最近うちで食べるご飯が妙に美味しいし、私のお弁当だってうちの家計状況で作れるわけないんです。そう、どこかのお節介さんでもいない限りね。
でも少し気になるのは麗佳様の綺麗な指に最近ばんそうこうが貼ってあることが多いんですわよね。
それに時々血のような味がすることがありますし。
お嬢様なんだから無理なさらなければよろしいのに。
何か伝えようにも私が近づくと顔を赤くして目を伏せ、慌ててお逃げになるし。
お体が余り強くないのだから、そんなに慌てられたら逆に心配になってしまうんですよ?
でも何故かしら。
私を見つめるあの目は……
目をそらす前いつも一瞬だけ見える血液よりも赤く紅い朱。
黄昏のように、誰そ彼れのように。
っと、話がそれてしまったわね。ともかく私の大好きな親友達なんですが。
鞄に手紙が入っていたので校舎裏に向かったら、最近余り一緒にいらっしゃらなかったのに珍しく二人揃ってらして。
あの目が……
私を見つめる二人の……
それをいつまでも見ていたくて。二度と見たくなくて。幸福と絶望。
大事な大事な何かが幸福に塗りつぶされてしまうかのような。
これから私を待つ筈であった試練と絶望を甘く優しく紅に塗りつぶしていく。
「ふふふ、ねえ清香。私達の事が嫌い?」
「まさかそんなことがあるわけないわよ。何があったとしても私が二人を嫌うなんて」
「ありがと。私達も貴女の事が大好きよ。だからこれを受け取りなさい。そうすれば私達は永遠になるの」
私に綺麗な宝石をすごい勢いで手渡してきたから思わず受け取る。
ふと我に返り慌てて返そうとした瞬間。綾香様が私にひざまついてこうおっしゃったの。
「ああ、思った通りですわ。ご主人様……っとついいつもの妄想が出そうになってしまったわ清香様。貴女様こそが私の旦那様だったのですわね。綾小路のおじ様がその魔の血に逆らって教会に通うようになってしまわれて。しかもそのせいで早死になさってしまわれて。その形見を引き継がれた清香様まで少しづつ聖属性に染まっていかれて心配していましたが。綾小路家こそかつての魔王様の直系」
「いやいやいや、綾香様何をおっしゃられて……というか、お父様が……」
「ごめんなさいご主人様。綾小路様の剣であり妃を代々輩出してきた真宮寺の怠慢によりおじ様……いえ、先代魔王様をお守りする事が出来なかったばかりか次の魔王様である貴女様にまで苦労をおかけしてしまって。ですが、16歳の誕生日を迎えられた今その魔王の宝珠によって真の力を取り戻された貴女様こそ我ら魔の血を継ぐ者の頂点にして至宝。不肖このわたくし僭越ながら妃候補筆頭として全てを捧げます」
えーっと、いったい何をおっしゃっているの?
というかワンブレスで長い。情報量が多すぎてまったく意味が分からないんですけど。
はっそうだわ。麗佳様だったら止めてくれる筈。
「麗佳様、麗佳様からも綾香様に何かおっしゃってください」
「ああ、今日も清香様が私如きごみの名前を呼んでくださった。私もう死んでもいいわ」
「麗佳様まで何を!! というか死なないでください。麗佳様にまで死なれたら私……」
「清香様の命令なら私は神にケンカを売ってでも永遠に生き続けますわ。ああ、我が君は今日も尊い」
駄目だわ麗佳様はもっと話にならない。
というか、本当に体力値が増加していくんですけど。
バフ魔法の使い手として相手の能力値が視える特技が今日ほど恨めしかったことがないんですが。
今の麗佳様のHPが∞って私の言葉一つでいったいどんな体をしていらっしゃるのでしょう。
先ほどまで病弱なだけあって8だったんですわよ?
いえ、大好きな親友が健康になられたのはうれしいんですよ?
「こほん、すいませんご主人様。奴隷如きが取り乱しました」
「奴隷って……まだ取り乱してますよ綾香様」
流石にジト目で綾香様を見つめると。
「あら、だって真実ですもの私達はもうとっくに清香様の愛の奴隷なのですから」
「こくこく」
「口でおっしゃられなくても」
ああ、頭が痛いですわ。
一体何がどうしてこんなことに。
いえ、今日は私の誕生日ですし、お二人からの手紙を貰った時は嬉しかったんですよ。
人目を避けて私の誕生日をお祝いしてくださるのかしら?
って思ったのは事実ですし。
でもこんなのは考えてませんでしたわよ。
「でも清香様だってまんざらではないんでしょう? 教会対策とは言え私の家の家紋を全身に身に着けて下さっていますし。本当はその家紋の持ち主は綾小路家こと魔王様のものなのですけど。真宮寺は影武者で我が家の本当の家紋はそこから線が2本少ないのですよ」
「え、でもそれが本当なら。私が綾小路家の本当の家紋を身に着けてたら影武者の意味がないんじゃ? って言うか、教会って何の事? 私そんな所に行ったことあるわけないじゃない汚らわしい」
「はっ、確かに。同じ家紋に身を包まれる清香様の姿に目を奪われそんな簡単なことを忘れるとは奴隷失格。麗佳!! 私に消滅呪文をかけて下さって」
「やめなさい」
「そうよ綾香。私は例え我が君をめぐるライバルの貴女の命を奪えるチャンスであっても、我が君が嫌がるなら今まで通り例え虫唾が走るほど大嫌いな貴女でも親友として貴女を守るわよ。ふふふ、貴女の忘れてしまったことからもね」
え、もしかして二人って仲が悪かったの?
「そうね、ごめんなさい麗佳。正直毎日ご主人様を守るためとは言え、ご主人様の料理に自分の血を混ぜる下種の貴女とだって終生親友でいるって誓ったのだったわね。そして、ご主人様を悲しませないなんてこの世界の真理だったわ」
確かに私がいないところで二人でいるところは見たことなかったけど。
っていうか、あの料理ってまさかわざと血を入れてたの?
重い……二人の思いが重い……
「っていうか、今更だけど私は女なのだけれど」
「あら、そんなの当り前じゃないの。旦那様ほどの美女が男なわけないじゃないの?」
「こくこく」
「今明らかにわざと言いましたわよね。さっきまでご主人様だったもの。っていうか麗佳様もいい加減しゃべりなさい」
「もちろんですわ我が君。貴女様は魔の王たるにふさわしい世界一の美女であられます。そんなお方に一生妾としてお仕えいたしますわ」
駄目だわ。会話ができない。
そうだわ。お二人から押し付けられたこの宝珠。
これさえ手放してしまえばお二人だって元に戻るはず。
「あら、無駄ですわよご主人様。もう魔王様として目覚めてしまわれたのだから。その宝珠はあくまできっかけですもの。そもそもそれおじ様の眼球から作られてるんだけどご主人様に捨てられるわけないじゃない」
「そうですわよ我が君。私達3人は親友でしょ? 親友だったら例え何があっても、そう例えベッドの上でもお風呂の中でもお手洗いであったとしても一緒にいるのに何の不都合がございましょうか?」
「あ、あるわよ……」
「クスクス声が小さいわよ? と言うか清香は耐えられるの? 物心ついてから私達抜きで行動したことなんてない癖に。大丈夫? 一人で歯を磨ける? お風呂で体洗える? お手洗いの使い方わかる? 一人で寝れる?」
「私の事をなんだよ思ってるのよ!! それくらい……それくらい……そう言えば、やったことないわね……」
え、もしかして私ってもしかして子供以下なの?
いやいや、それくらい普通よね?
ほら、この間読んだネット小説だって普通に奴隷買ってたわよ?
日本に生まれて普通に奴隷を買うなんて発想が出てくる時点で私みたいな生活をしていた証拠だわ。
そうよ、どの小説だって奴隷を買ってたもの。つまり、二人は大げさに言ってるだけでそれくらい普通の事だったのよ。
危うくだまされるところだったわ。
でも、今更二人以外の人に裸を見せるのは恥ずかしいわね……っていうかだいぶ嫌ね。
小説の主人公たちは良く慣れ親しんだ奴隷から新しい奴隷に乗り換えられたわね。
流石主人公になれるような人は違うわね。
って、私今ナチュラルに二人を奴隷扱いしなかった?
「そうよ清香。素直になりなさい。ほら私のおっぱい飲む?」
「ええ、いただくわ」
ああ、やっぱり落ち着くわね。
麗佳の味ね血液も甘くて美味しかったけど、これはこれで極上ね。
綾香には悪いけど味は麗佳のほうが良いわね。
「うん、帰りましょうか。これは夢よ。そう、悪い夢。起きたらいつものように二人につつまれて……ん? もしかして今までと何も変わってないのかしら? いやそんなはずないわ。うん、夢よ夢だわ夢なのよ」
その瞬間知らない筈の声が私を呼ぶ。
『清香ちゃん!! 清香先輩!! きよかーーー!!』
誰の声……
大事な大事な……
そうだ、憎むべき敵達の声だ。
『ごめんなさい。私はもう、二人の事を選んでしまっただからもう私達が交わる道は無い』
「どうしたの清香。怖い夢でも見たの? ほら、私のおっぱい飲む?」
「うん飲む」
「綾香~たまにはあなたのおっぱいも飲ませたらどうかしら? クスクス」
「冗談。それは貴女の役目よ。私の役目はこっちでしょ?」
その瞬間大好きな綾香の視線が私を現実に呼び覚ます。
「そうだったわね。ほら二人とも帰るわよ。私達の城へ」
「「ええ、陛下」」
そう、もう取り返しはつかないのだから。
さようなら過去の私。
さようならかつての魔を捨てた魔王とたぶらかした馬鹿な女勇者。
そして、さようならともに世界を救うはずだった未来の英雄さん達。
「ふふふ、私を誑かした悪い悪い魔女さん達。私をこうした責任取ってもらうんだからね」
「勿論ですご主人様。子供の頃から大事に大事に私達好みに育て上げた大事な愛し子よ」
「ええ、あの時かつての主を殺してまで作り上げた理想の魔王よ。私達はもう髪の毛1本に至るまで全て貴女様のものよ」
「ああ、やっぱり。あの愚者を殺したのは貴女達だったのね。良いわ。貴女達の忠誠の礼に全てを許すわ。だって私ももう貴女達のものなんだから」
血に塗れ、歩く先を紅く染め上げ
私達は歩く
あの朱い目に導かれるように
永遠に私達三人だけで
邪魔をする私達以外の全てを滅ぼしながら
隠しエンド FIN
「紅き目に導かれて」
「えーっと、皆さんのおかげで無事に走りきる事が出来ました……すいません知らなかったんです。って言うかなんだこのルートRPGなのに戦闘が1度も無いって」
「流石にこれはどうしましょうね……というかこれって一体何が条件だったんでしょう?」
条件が解放されました。
清楚先輩ルートが解放されます。
「あれ、何か解放されましたね。っていうかスタート画面が変わった。START CONTINUE DISAPPOINTMENT……」
「はい、調べてきました。絶望っていう意味らしいですね。せっかく何で次回からこのストーリーを進めていきましょうか。え、直ぐにやれって? 少しエッチな名作を面白おかしくプレイしようとしただけなのにこんな展開になってこっちも混乱しているんで。お察しください」
「はい、そういうわけで今回の生放送を終わります。次回予定日はまたSNSの方で上げたいと思います。気に入った方はチャンネル登録をお願いします。それではまた次回」
寝ます
おやすみなさい