- 狂気 -
今回の登場人物紹介
主人公:宮地 文博
部員:2年 宮田 正博
:2年 津久井 樹
顧問:常見 美奈子
「ちょっと確認したいことがあって来てもらったんだけど..」
昼休みに樹から話を聞いた顧問の常見先生は、放課後正博を誰もいない空き教室に呼び出した。
突然呼び出され腑に落ちない表情の正博は
「なんすか?今日は部活無い日ですよね?」
常見先生は
「裕太君の事なんだけど、あれは本当に故意じゃなくて事故なんだよね?」
正博の表情は一瞬曇ったが
「何言ってんすか?当たり前でしょ!運動中の事故で、あの日も現場に来た先生に説明したじゃないですか!わざとじゃないっすよ!なんでそんな事言うんすか?だれかわざとやったって言ってるやつがいるんすか!?」
正博はすごい剣幕で常見先生に詰め寄る。
狂気を感じるほどの剣幕に
「いや...そういうわけじゃないけど、今後キャプテンとして皆をまとめてもらうのに、少しでも不振に思うことははっきりしておかないとと思って..」
正博の剣幕に常見先生は、樹の名前を出してしまうと万が一いじめに発展してしまうと危険だと感じ
昼の事は伏せ、とりあえずその場は正博を帰らせた。
この常見先生の中途半端な行動は最悪な事態を招いてしまう。
・・・文博の野郎だな!・・・
正博は心の中で思った。
裕太が骨折した時にわざとやったんじゃないかと文博に詰め寄られた事を思い出した。
・・・あの野郎ぶち殺してやる!・・・
正博は、苛立ちと悪だくみがばれてしまうんじゃないかと言う不安感で
文博に対する怒りが抑えきれなくなっていた。
その日の夜、樹のスマホに正博からメッセージが届く。
勿論、正博は樹が先生に相談したとは思っていない。
・・正博
文博が常見に余計な事言ったみたいだ!
樹・・
なんて?
・・正博
俺がわざと裕太をケガさせたって!
・・正博
頭にくるよな!あの野郎!常見にチクりやがって!
・・正博
裕太は骨折させてやったけど、文博はケガだけじゃなくて学校来れないくらい、いじめてやろうぜ!
・・正博
明日部活でやっちまうから!
樹・・
よせって。正博それじゃ犯罪者みたいじゃん!
・・正博
大丈夫だよ。ばれなきゃいいんだから!やらないと俺の気が収まんねえし!
樹はそれ以上返信しなかった。
翌日、授業が終わり部活の開始時刻になった。
男子バレー部顧問の常見先生は、昨日の正博の態度に一人で解決するのは困難と考え、生活指導の先生と教頭先生に相談し今後の対応を話し合っていた為、部活開始時間に少し遅れていくことになった。
体育館では、部員たちでコートの準備が始まる。
少しして顧問の常見先生は生活指導の先生と共に体育館にやってきて
取り合えず生活指導の先生に正博の行動を監視してもらう事にした。
いつもであればネットを張りや支柱立てなど準備全般は1年生たちの仕事で
上級生たちは雑用をやることはなかったが
この日は文博がネットの支柱を運ぶ際に
正博が一緒に運ぶことをかって出て体育倉庫から二人で運び出していた。
「文博前もってくれ。」
「はい。」
文博は特に疑問もなく一緒に運び出したが、少し歩き始めると無理やり前に押されて
不意の事に足がよろけて前に倒れこんでしまった。
・・その瞬間
「文博!後ろ危ない!」
突然大声で叫ぶ声に文博は慌てて体を反転させると
鬼のような形相の正博が、持っていた支柱の端を頭の上まで持ち上げ今にも文博の足にたたきつけようとしているところだった。
書いてる時間が無くて物語が進まない....