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挫折の先に  作者: アヒス
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登場人物紹介


主人公: 宮地(みやち) 文博(あやひろ)


主人公の親友: 鈴木(すずき) 裕太(ゆうた) 


主人公の友人・同じ部員: 菊池(きくち) 大輔(だいすけ)


             石川(いしかわ) 大和(やまと)


             竹内(たけうち) 翔太(しょうた) 


             大田(おおた) 誠也(せいや) 


             谷口(たにぐち) (じん)


             落合(おちあい) (まこと)


西中学校バレー部2年:  立石たていし幸輝こうき




顧問: 秋元(あきもと) 隆二(りゅうじ)


副顧問: 常見(つねみ) 美奈子(みなこ)

関東大会から帰ってきた夜に、裕太から文博のスマホにメッセージが届いた。


裕太・・

 ハロー!今日はお疲れ!明日暇?


・・文博

 お疲れ(笑)明日空いてるけどなんで?


裕太・・

 久しぶりの休みだから明日大輔達も誘って遊ばね?


・・文博

 うん。別にいいよ。じゃあ新しいシューズ欲しいから一緒に買いに行っても良いかな?


裕太・・

 全然OK牧場(笑)。じゃあ、ボーリングもカラオケも映画館もあるしショッピングモールのメロンタウン行くか?


・・文博

 OK牧場?了解!場所は任せるよ。


裕太・・

 2年バレー部のグループトークでみんなに連絡してみる


翌日、朝9時に中学校前に集合してショッピングモールに出かけることになった。

秋元先生がバレー部の顧問になってからお盆と正月以外は、ほぼ練習や練習試合で休みが無かったので、仲間同士遊びに出かけるのが、とても久しぶりだった。

秋元先生が顧問になってからとても練習がきつくなったが、その分皆上達しているのを肌で感じていたので、休みが無いことや練習のきつさは特に苦になることはなかった。


翌朝、学校前に文博が到着すると裕太と大和がもう待っていた。裕太と大和の家は方角的に一緒だった為、一緒に来たらしい。


「おはよ!」 「うぃーす」 「おっは」


挨拶を交わす。


「あれ?あと誠也と翔太が来るんだっけ?」

文博は裕太に尋ねた。


「おう。大輔は久しぶりの休みなんで親と旅行だってさ。金持ちの家はいいよな!」

裕太が答える。

大輔の家は会社を経営しているので比較的裕福なうえ、ちょうど時期が夏休み中だったので旅行に出かけてしまったようだった。


「仁と誠は仁の親に関東大会の会場まで連れて行ってもらって、試合見てくるって言ってたな。やつらも研究熱心だからな。」

文博は少しうらやましかった。できれば夢丘中学の試合や、ほかの強豪校の試合も見てみたい気持ちだった。


「仁にビデオ撮影とかできないか頼んだら親がバッチり撮ってくるつもりでいるって言ってたから、あとで見せてもらおうぜ。」

裕太が付け加えた。


仁の家の保護者、特に母親はとても部活に協力的で、今までも対戦校の試合を前もって撮影してきてくれたりして、とてもありがたかった。今回は残念ながら初戦で負けてしまったが、きっと自分の子供がメインで出るようになった時に、対戦するであろう学校の視察に仁の母親は余念がなかった。


「意外とそのビデオ楽しみだね。」

文博が言う


「まあ、夢丘はある程度分かったけど、他の学校はほぼ見れなかったしな。でもほとんどの学校が3年引退するからチーム状況変わるんじゃね?」

大和が文博に言う


「でも、強い学校は学年関係なく出てるし顧問の作戦があるから、結構チームカラーは変わらないもんだよ。きっと役に立つ情報になると思うよ。」

大和に答えた。


「そうだな。」

大和もうなずく


「つくづくバレー馬鹿だな俺たち。一応オフなんだから、今日はバレーの事は忘れて楽しもうぜ。」

裕太があきれ顔で二人に話した。


そうこうしているうちに翔太と誠也もやってきて、近くのバス停からバスに乗りショッピングモールへと向かった。


ショッピングモールに付き、文博のシューズは荷物になるので帰りに買う事にし、最近学校でも話題になっている映画を見ることにした。


「俺たちは、部活メインでなかなか流行に付いていけないから大変だよな!」


「そうだよ!女子とかに話降られても、あっ!ごめん。観てないよね!とか言われてさ、バレー部差別だろ!」


などとくだらない愚痴を笑いながらして映画鑑賞をし、映画中は裕太は、ほぼ寝ているようだったが、何となく最近の流行に乗れているようで、みんな浮かれていた。

映画鑑賞・カラオケしながら昼食・ボウリングと休みを満喫し、午後5時近くになったので最後に文博のシューズを買いにショッピングモール内の大型スポーツ用品店に入った。

中学生男子5人がワイワイしながらバレーボール用品コーナーに行くと、大和と身長的に大差のない先客の後姿があった。何となく見覚えのある体型だったが、特に気にすることもなくシューズを見回していると横から


「宮代のセッターじゃん。」

声を掛けられた。


その声に文博は横を振り向くと、地元の強豪校であったが顧問の不祥事の為、バレー部が休止状態の西中3番の顔がそこにあった。


「あっ。ども。」

咄嗟の事に文博も挨拶するのがやっとだった。


そんな状況を見ていた裕太が


「あれ?西中のエースじゃん!ども!」

声を掛ける。

その声に大和たちも気づき近寄ってきた。


「なんだ宮代バレー部がいっぱいいる。みんなして買い物?」

西中の3番が文博と裕太に尋ねた。


「俺たちは今日部活オフだから、みんなして遊びに来ただけ。こいつだけシューズが昨日の関東大会で破けちゃったんで買いに来たんだよ。」

裕太が答えたが、答えたと同時にはっと思った。西中は今まで関東大会常連校だったが、顧問の不祥事の為今年は予選にすら参加できなかったことを思うと、悪いことを言ってしまったんじゃないかと。


「なんだ。そうなんだ。昨日は残念だったな。夢丘強いからな。俺たちも今まで一度も勝てた事ないんだよ。でも夢丘に五分の試合したんだからお前らも相当なもんだな。多分俺たちがおまえらと試合しても今回は勝てなかったと思うぜ。」

西中の3番は裕太に話す。


「あっ、君の名前知らないんだけど教えてもらっていいかな?僕は宮代2年の宮地文博って言います。」

「俺は、宮代2年のスーパースター鈴木裕太ね。以後お見知りおきを。」

二人が問いかけると


「俺は西中2年の立石幸輝。」

幸輝の回答に二人は驚いた。


「あれ?2年?タメ?だったの?俺らてっきり3年かと思ってたよ。去年からバリバリ活躍してたから。」

裕太は驚いた顔で話すと。


「まあ、俺はS県から中学入学する時に、西中のバレー部顧問に誘われて西中に入学したんで、知ってる顔は全然いないし、顧問も学年で起用するんじゃなくて、自分の好き嫌いで起用してたから、今の3年はほとんど出てなかったからね。」

幸輝は答えた。


よくよく幸輝から話を聞くと、西中の顧問は幸輝達が入学前に、その当時の部員たちと指導の厳しさで溝が出来てしまっていた為、まともに練習に来る部員が少なくなり、強豪校のプライドを守るため、小学生から活躍していた子供を他県からスカウトして、元からいた部員で顧問に反抗しない生徒と新入生のスカウトしてきた部員をメインに起用していたそうだった。


「幸輝君たちも大変だよね。試合にも出れないし。」

文博が幸輝に尋ねると。


「夏休み前に新しい顧問が付いて部活再開したから、9月の新人戦から俺たち参加できる事になったんだよ。あっそれと幸輝って呼び捨てでいいから。」

幸輝が答える。


「マジで!もうちょっと休んでていいよ!」

笑いながら裕太が冗談交じりに言う。


「そうだよ!西中がまた出てきたら全国制覇の目標がさらにきつくなるし!」

後ろで話を聞いていた大和たちも笑いながら話した。


「俺たちも今度は宮代に全力でぶつかっていく挑戦者だから、対戦する時はお互い頑張ろうぜ!」

幸輝の檄に


「俺たちも負けないからな!新人戦で全力で戦うの楽しみにしてるよ!でもその前に山上中にお互い撃破されないようにしないとな!」

裕太も、やけにかっこつけて幸輝に返した。


その後、幸輝と別れ文博もお目当てのシューズを手に入れ家路へと向かうバスの中で


「スマホのアドレス聞いた?」

翔太が文博に尋ねた。


「誰の?」

文博は聞き返す。


「西中の幸輝の」

翔太が答えると。


「いや。聞かないよ。向こうも聞く気はないだろうけど、これから最強のライバルになる相手だから、あんまり仲良くなっちゃうと今後支障が出ちゃうかもしれないからね。聞くとしたらとりあえずは引退後かな。」

文博が答えた。


「そうか。私情が挟まっちゃうと試合しづらくなるもんな。」

翔太も納得した。


裕太はそんな話を横でしている二人を気にしながらも、バスの窓から外を見ていた。何気に隣町の大型スーパーの駐車場に目をやると、何やら見覚えのある男女の姿が目に入った。


「あれ?大和!あそこの車に荷物積んでる二人、秋元先生と美奈子先生じゃね!?」

裕太が慌てて前に座る大和に問いかけた。


「あっ!そうだよ!あの車秋元先生の車だし!」

大和が答えると、反対側の座席に座っていた翔太と誠也も身を乗り出してのぞき込み


「なんだよあの二人!できてんのか?」

誠也がつぶやいた。


「いや。なんか部活の買い物とかかもしれないよ。」

興奮している4人を落ち着かせようと文博が言うが


「いや!絶対出来てるよ!」

盛り上げたい裕太は、ニヤニヤしながら文博に返し、早く部活が始まらないかとその時ワクワクしていた。


その後、中学校の最寄りバス停に付き、文博達はそこで解散した。

文博は、なんだか今日は楽しかったけど試合の時より疲れたなと思いながら家路についた。




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