- 完敗 -
登場人物紹介
主人公:宮地 文博
部員・キャプテン:小宮 雄二
部員・2年:大竹 義人 田端 弓弦
部員・1年:菊池 大輔 石川 大和
顧問:秋元 隆二
副顧問:常見 美奈子
第一セット。審判の笛で始まった。
サーブ権は西中から、特段すごいサーブでもないので弓弦がレシーブしクイック攻撃で大輔が決めた。
そしてこちらのサーブ権、小宮のスパイクサーブが連続して綺麗に決まり一気に5点先取、だが次のサーブで体制を崩し、西中6番に拾われいよいよ西中3番の弾丸スパイクが炸裂する!
”ボン!”鈍い音と共にボールがベンチ脇へ飛んで行った。
文博他メンバーが、リベロの義人の元に駆け寄る。
「大丈夫!」「よし君!大丈夫?!」
義人は、西中3番の強烈スパイクを顔面で受けてしまい、うずくまっていた。
「ううう..いってー...おぅ..大丈夫!心配すんな!試合再開だ!」
左頬は赤くなり、涙目になった顔を上げ、集まってきたメンバー皆に大丈夫であると伝えた。
審判から試合続行可能かどうか確認を受け、大丈夫である事を伝え、試合が続行された。
この時、文博は嫌な予感がした。今までここまで強烈なスパイクを受けたことが無い義人が、顔面でボールを受けてしまい、再度この強烈アタックに躊躇なくレシーブに入れるのか?もしかするとボールに対する恐怖心を抱いてしまったのではないか?そんな不安が脳裏を横切った。
その後、西中のサーブが来た、もちろんリベロである義人がレシーブに入ったが、揚がったボールが乱れ、文博はアンダーでかろうじて揚げたが
アタッカーとのタイミングがずれ、弓弦が強引にスパイクに入ったが西中にブロックされまたも西中の得点になった。
文博の不安はぬぐえなかったが、何としても勝を取りたい一心で、全力プレーを続けた。
だが、やはり文博の不安は的中していた。
リベロである義人が、西中3番のスパイクに恐怖心が付いてしまい、反応が遅れてまともにレシーブが揚がらなくなってしまった。
ほかのメンバーも、やはり強烈なスパイクがバックからでも、乱れた体勢からでも撃ち込まれてくる状況に反応できなかった。
唯一反応できる文博がレシーブに回ってしまうと、他のメンバーがうまくトスアップが出来ず、まともな攻撃にならない。
ほかのメンバーがかろうじてレシーブを揚げても、確実に文博の元に揚がってくる球ではなかったので、多彩な攻撃が出来ず散々な状態だった。
”ピー!”
試合終了の長い笛が鳴った。
完敗だった。
西中のストレート勝ちで、文博達は1セットも取ることが出来なかった。
試合終了後、秋元先生の元にみんな集合した。
「やはり強豪校は強いな。だから強豪校なんだわかるな!でもみんなは少しづつその強豪校に追いついてきてる!勝てない相手ではない!もし今日の試合で何かしら自分の弱点が見えたなら頑張って克服しよう!まだ次、県大会がある、西中にリベンジするチャンスがあるんだ!ここで肩を落とさず頑張ろう!」
秋元先生の檄に肩を落としながら部員たちは
「ハイッ!」と返事をし帰路いついた。
やはりまだまだ経験不足は否めない。
秋元先生は、ここの所チームの快勝に浮足立っていたことに少し反省した。
県大会が始まり、文博達の中学は一回戦は辛くも突破したが、二回戦目前回県大会優勝校の山上中と対戦した。
西中ほどの強烈アタッカーはいなかったが、全体的に仕上がったバランスの良いチームで、やはり西中を破るほどの実力はあった。
西中の試合以降義人は、ボールへの恐怖心から今まで難なくできていたことが出来なくなっていた。
仕方なく秋元先生は、一回戦目からリベロは使わず試合に挑んでいたが
やはり、大輔や大和はセンタープレー中心の練習が多かったため、うまくレシーブを揚げることが出来ずその弱点に気付かれてしまい、山上中にも完敗で県大会は二回戦目で幕を下ろした。
「今回は新人戦だ。これからどこの学校も更なる実力をつけて最後の総体連に向けて仕上げてくるだろう、みんなも今回公式大会初陣のチームで、ここまでの実力を発揮できたのはとてもすごいことだと思う。だからみんなも一年最後の締めくくりに全国制覇する夢を掲げて、頑張っていこう!そのために俺もみんなへの協力は惜しまないから!」
秋元先生が最後に檄を飛ばし
「ハイッ!ありがとうございます!」
肩を落としながら部員たちは返事をした。
「私が臨時顧問になった時のドタバタしてたチームが、初めての大会からここまでの成績を残すなんてとてもすごいよみんな!私の教えのおかげね!みんな私に感謝してね!」
常見先生があまりにもみんな浮かない顔をしていたのでみんなに冗談交じりの檄を飛ばし
「美奈子先生のおかげの分けねーじゃん!秋元先生のおかげだよ。」
「えっ?そう?私のさりげない指導がみんなにそれとなく浸透した結果ね!」
「なんだよそのあいまいなさりげないとかそれとなくって!」
こんなくだらない冗談を交え談笑し部員達は皆元気を取り戻した。
そして最後に
「今回の結果は惜しくもだが!まだまだ先は険しい!みんな覚悟して頑張ってくれよ!」
「ハイッ!」
「じゃあ今日はここで解散!」
送迎と応援に来てくれていた父兄たちに秋元先生と常見先生は挨拶をし、子供たちを託し皆帰路に就いた。
そして荷物をまとめ、秋元先生も帰路に付こうと歩き出した後ろから
「あっ...あの...もしこの後お時間あったら、お食事でも一緒にいかがですか?」
顔を少し赤らめ、はにかみながら常見先生が秋元先生に話しかけた。
「えっ?!あっあっ..お・お・お時間はたくさんあります。もちろん喜んでお食事行きましょう!」
突然の誘いであったが、まんざらでもなかった秋元先生は、なんだか訳のわからない返事で了承し
二人は帰路に付きながら食事に向かった。
毎日暑い!
私の住んでいるところは毎回ニュースに出てくる酷暑の場所です。
40度超えるような異常気象に
身体もついていけません。
皆さんもお体には気を付けて!




