- 別れ(幼少期)-
字を書くといえば、名前を書くことくらいで
文章を書くこと(パソコンで書いてるから打つことですね)
に遠のいて何年もたつので、句読点など不自然で
読みづらい文章になってしまっているところが多々あると思いますが
頑張って執筆していきますので
つたない物語ですが、興味があったらぜひ読んでみてください。
「文博ごめんね...」
まだ、買ったばかりのランドセルがとても大きく
背負うのもやっとなのに
勉強と言う響きと、なんだか赤ちゃんからお兄さんになったような誇らしさで
背伸びして胸を張っていた。
そんな幼少の時期に
母親はその一言を残し文博の前から姿を消した。
母親が姿を消してから文博は父親と二人暮らしになった。
父親の両親(文博の祖父母)は文博が生まれる前に亡くなっていた。
父親は兄弟もなく一人っ子だったので頼れる親戚もいなかった。
母親がいなくなるまでは、仕事人間で普段の日にあまり顔をあわせる事のなかった父親だが
その出来事を機に仕事を変え、夕方には学校帰りに文博が預けられている
学童保育に迎えに来て買い物をし家に帰る
そんな毎日になった。
「パパ...ママはどこ行ったの?」
それまで他の子どもと変わらず、元気で活発だった文博だったが
この出来事を機に、あまり話をせず笑顔のないおとなしい子供になった。
そんな文博が、いつもの帰り道で意を決したようにうつむきながら父親に尋ねる。
「お母さんは、お体の調子が悪くなったから遠くの大きな病院で治してもらってるんだよ。」
いつもは話をする時、文博の顔を見て話す父親がこの時は正面を見つめたままだった。
「じゃあ、お見舞いに行こう!看病してあげないと可哀そうだし、ママ寂しいよ!」
文博の心の中で幼いながらも少し悟っていた、もう二度と母親に会えないかもしれないと思っていた
でもそんな気持ちに少し光が差したように最近声に張りを無くした文博の声が
その時ばかりは少し明るくなり父親に話し返す。
そんな文博に父親は依然正面を向いたまま
「この病気はとても大変な病気で子供にうつっちゃうと死んじゃうんだよ。だから文博が大人になるか、お母さんが元気になるまで会えないんだ...」
父親の返答に一瞬明るくなった文博の表情は曇り、うつむき父親に悟られぬように声を出すことなく頬に大粒の涙を流していた。
父親は文博の鼻をすする音で泣いている事に気が付き
親に心配をかけまいと声を殺して泣いている姿に胸が張り裂けそうになった。
しゃがみ込んで文博をぎゅっと抱きしめ
「ごめんな....きっといつか会えるから。今は寂しいけどお父さんと一緒に頑張ろう。」
父親はそう声をかけるしかできなかった。
作者のノンフィクション部分も交えた
ヒューマンドラマです。
作者の体験してきたことをそのまま記すると、とてもつらい話になってしまうので
フィクションも交え少しでも最後に期待が持てるような作品になればと思ってます。