第一関門 開始
「冗談にしては笑えんな」
ふん。と鼻を鳴らす四角い眼鏡の男。
彼に同調して頷く者もいれば、
その場に崩れ落ちたままの者もいる。
当然だ。
色々な衝撃も治らない内に、
本選を始めるからと妙な形のゲートを潜らされ、
現在、たぁぽむを含む10人の人間が
四方を壁に囲まれた場所にいるのだから。
「まるで、逃げられないよう閉じ込めているようね。」
ゴスロリの雀斑の女が冷静に言う。
確かに、言われてみればそうとも感じる。
たぁぽむも、
自分がとんでもない事に巻き込まれているとようやく実感をえはじめていた。
〔ハイハーイ♡
それでは、皆さん位置についてー?スタート♡〕
妙な音楽と共に、四方の壁が取り払われる。
と、
眼前には不気味さを感じさせる色合いのオブジェや通路のある空間だった。
「コレが会場というわけか!
こうしていてもなんだ、あの女の茶番に付き合ってさっさと人型転生権?
などとやらを探そうではないか!」
丸い眼鏡に細身の男が突然前に一歩出ると、
「まあ、なんだ!まずは自己紹介でもしよう!
俺は朝駕マイトと呼んでくれたまえ!
さぁ次はー」
「おいちょっと!
何急に仕切り出してんの?
意味不明なんですけど!?」
仕切られるのが気に入らなくてたぁぽむが割って入ると、
派手な化粧の女も続く。
「そうよ!
なんでアンタみたいないかにも仕切りたいですーみたいな、
それでいていざって時には役に立たないに決まってる奴に従わなきゃいけないのかしら!?」
太った中年の男も同調すると、近くにあった突起物に触れ、
「くだらねぇ!あんなのトリックかなんかに決まってんだろ!コレだからバ…」
そして、男の身体が真っ二つに裂け、消えた。
一瞬の事に、全員の動きが止まる。
〔ピンポンパンポーン♡
ぷまこうっかり♡
会場ではいろーんな、し・か・け もあるから気をつけてねー♡
うかうかしてるとー
消えちゃうよ?魂が。
うっふん♡〕
「……は?…意味わかん…なんで…」
「いや!イヤァァ!!」
全員の混乱と恐怖の中、
第一関門が開始された。