開けるか否か
「もうなんなのよ!?
必死こいても、あんなの……意味ないじゃない!!」
らの子がもう嫌と言わんばかりに剣を投げ捨てる。
「あいたた……投げ方のおかげでおそらく打撲程度であろうが、かなり痛かったぞ!
しかしながら、よもやこんな罠があったとはな!」
ゆっくりと起き上がるマイトをスミノスミとりにが支える。
「争奪戦というのが、こういう事とはな。
本当に、全くいい趣味をしている。」
潮田が頭痛がするとも言わんばかりに、
こめかみを押さえる。
「だが、いつまでもここにとどまって行くわけにもあるまい。
ルートだが、さてどちらに行くべきか……」
「でしたら私に案がありましてよ。
みてくださいまし。
どなたかのは存じませんが、
片方の道、ハンカチが落ちてましてよ?
推測するに、
この道から来られたのではないかしら?」
ルルとすの指摘通り、三方向の道の内、
右側の道にハンカチが落ちていた。
「確かにそうだよねー!それじゃあ残りの道を、例のコイン投げで決めよ!」
モンチキはそういうと、近くにいた、
りににコインを渡し、同時に投げた。
すると、左側の道からは妙な反響音がした。
「ってなると、真ん中が正解っぽい?」
りにが言う通り、残された道は真ん中しかなくなった。
全員、頷くと進んでいく。
分かれ道のたびに、コインを投げ道を進んでいく作業を数回繰り返し、また、あの円形状の場所に出た。
今回は、他のチームはまだいないようだ。
「となると、目下の問題は、この宝箱を開けるか否か……と言ったところか!」
「先程の事を考えると慎重にならざるを得ないが……他のチームが来れば面倒だ。
開けるか否か…さて、どうする?」
Kの問いに、全員が沈黙する。
しばしの静寂ののち、りにが口火を切る。
「ここで開けないよりはマシだと思う。
元々オイラ達は転生がしたくてこの企画に参加した訳でしょ?
何に転生したって、いいんじゃないの?」
「な、私は嫌よ!?あんな、醜い怪物になるだなんて!!」
「俺だって!超絶可愛さを捨てるつもりはないんだけど!?そもそもこの企画に参加したのだって、遊び半分だったわけで!」
「だが、その結果、僕達は死んだ。
正直言ってあんな乱闘はこりごりだ。
ならさっさと開けてしまった方がいい。」
らの子とたぁぽむの言葉に、潮田がきっぱりと言い切る。
確かに、自分達は既に死んでいる。
らしい。
おまけに下手に動けば消える。
そんな状況が続くよりも、なんでもいいから終わらせたい。
「あの……なら多数決で決めませんか?
どうせなら…その方が諦められる……気がして。」
スミノスミの言葉に、らの子とたぁぽむは返す言葉も出ず頷く。
そしてー
「では、開けるぞ!?皆、いいな?」
多数決の結果、宝箱を開ける事ととなり、
代表としてマイトが行きたがったため、
彼に開けさせる事にした。
「最悪だわ……こんなの」
「頼むから醜いのだけは勘弁してほしいんだけど」
諦めを含んだらの子とたぁぽむの言葉に、両手を組み祈るルルとす。
それぞれの思いが交錯する中、マイトが宝箱に触れた。
そして、浮かび上がったプレートに書かれていたのは
[人型転生権 獲得]
〔ピンポンパンポーン!♡
ジャッジャーン♡
Dチームのみなさん♡
見事、人型転生権獲得でーす♡
これにてゲーム終了でーす♡
残りチームのみなさん残念でした♡
ではでは〜休憩タイム入りまーす♡〕
人型転生権を入手した喜びよりも、
このゲームが終了した事に安堵した。
これでようやく地獄が終わる。
皆がそう思っていた。




