市場調査
ちょっと商品は作ったんだけど果たしてこれがいくらで売れるのか?それが大きな問題点だ、
だって俺カッパだしこの世界の金銭とかって見たことないんだよね、って事でこの作った煮干しを通りすがりの旅人さんを見つけて相場を聞いてみる事にする。
丁度水場で昼食休憩していた馬車3台を連ねる商隊御一行さんがいたからこの国の通貨単位と情報を分けてもらう事にした、
「あの~すみませんがちょっとよろしいですかの~」 ちょと老人っぽく語りかけてみる。
「爺さん何か用かい」 恰幅の良い身ぎれいな中年男が返事をしてくれた、
「わしは商売をしようと海辺の集落から出てきたんじゃが 金とかの事があまりよく知らないんじゃが教えてくれんかのう?」
そう言って中年男に問うた、
「わしの名は海辺の集落に居ましたカワタと申しますじゃ宜しくお願いしますのじゃ」
「腰の低い爺さんだな、」中年男は笑いながら
「私はこの行商ラクーン商会の会頭でラーク・ラクーンと申します」 10名の商隊の会頭を営んでいるそうだ、
「わしは海辺に住んでいたんじゃが津波でなにもかもながされてしまってのう、もう少し安全な所で暮らしたいと思ったのじゃが」 いかにも難儀している感じで言ってみる、
「今朝ほどの地震か、津波も凄かったな、爺さんもよく逃げてこられたな、どうだい私らも街へ行くから一緒にいかないかい」ラークが提案してくれた、
「おお、それは有難いことですじゃ」 俺は爺さんになりきってこの商隊に厄介になる事にした、カッパだとバレないよう細心の注意を払って行くことにしよう、だって俺美味しい食材だし。
一緒に連れて行って貰うにもいくらなんでもタダで連れて行って貰うには気が引ける、
って事で俺は多少の知識を街まで連れて行ってもらう対価として葦籠の作り方とわらじの編み方を伝えておいた、
俺は水辺に生えてる葦を集めて材料にする、籠を作って見せてラークに売値を付けてもらう、一個500Gで売れそうですねと答えが返って来る、
通貨単位はギルダンと呼ばれていた、ギルド共通硬貨と言うのが世界共通通貨として使われているらしい、又、国ごとにローカル通貨もある様だ、
通貨は石貨10円相当の価値
鉄貨、100円相当の価値
銅貨、1000円相当の価値
銀貨、1万円相当の価値
金貨、10万円相当の価値
安い宿で素泊まり銅貨2枚が相場と言っていた、食事は1000G銅貨1枚で十分と言う事も情報として聞いた、
食事と宿代を基準に考えられれば大体の物価が見当付くかなと思い更に情報を得て行く、
有益な情報をかなり貰ったので夕飯に煮干しを細かく磨り潰した物を提供した、これってうま味成分が入ってるからね、汁物のスープとか鍋物に使うといいんだよね、俺がこの世界で作った商品第一号である『粉末出汁の素』だ、
これが今の俺の主力商品となるんだね、単に煮て干した物をよく磨り潰しただけの代物だけど、後にこの世界の人達にはとても重宝される旅の定番商品となる物だったんだね、
香辛料は凄く高価だからね~庶民の味を手軽に何処でも使える所が重宝されるんだ、って事で俺は商材GETだぜ!
ラークと話をしていてこの世界に有ったらいいなってのが次から次へと出てくるんだよ、それほどこの世界は遅れているって事なんだ、
時代で言えば中世位で産業革命がまだ起きてない時代の様だったんだ、
っでね、何でそんな時代で停滞しているのかって事考えた、
この世界には魔法ってのが有るんだよ、俺も白い部屋の人から魔法が使える世界って聞いていたんだけど、俺本気にしてなかったんだ、だって俺魔法使えなかったんだもん、
だけどこの世界では魔法が使えるらしいんだ、ラークが簡単な魔法なら使えると言っていたので見せてもらう事に、
「全ての命を育みし 母なる無限のこの大地 大地の底にふるえある 熱き力の源よ 我に従い力と...」
おいコレ前世で聞いたことのある呪文だ、俺が知ってるアニメの物ならヤバい奴の呪文だよ
「ちょ まっtt ここで煉獄火〇陣を打つのは...」
ラークの指先から小さな炎、マッチで付けたような炎が爪の先に灯っていた...
おいおいあの呪文を唱えておきながら威力はそんな物なのかいw
おれ、ちょっと焦った、この辺り一面が爆ぜるのかと思った、
魔法って単に便利な力だったのね、
便利な力が有るから産業革命がまだ起きてないのかな? これは少し調べる必要がありそうだなと考える。
続く
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