カッパの日常
相も変わらず今日も漁だよ、一体何時までこの生活が続くんだろ、と思っても詮無き事だよな~と考えていてもしょうがない、今日を頑張って生きて行こう。
って事で相も変わらず漁に出る、今日は河口に来てるんだ、海の魚を重点的に獲っていくらしい、
今日は前日の様な事があるからふぐは獲らないようにする、ふぐ毒のテトロドトキシンはカッパにとってもヤバい物なので(別の意味でね)なるべく獲らないようにする事にしたんだ。
それで考えたんだ、リベンジとして第一希望はアブラソコムツって魚だ、これって深海に住まう魚なんだけどごくまれに浅い所まで上がってくる場合があるんだよね、そんな幻の魚を探しつつ今日の仕事もこなしていく、
見つけた~大物がいたんだよ、何かの動物の死体だ、それが腐乱してガスが溜まってぷかぷか浮いてるんだね、こんな奴の傍にはシイラって魚がよくいるんだよ、
前の世界では漁師さんはあまりシイラを食べ無かったんだよね、理由は人間の水死体の傍にきてそれをシイラが食べるからね、
気持ち悪いって事であまり食べなかったんだ、あと死体の傍にいたりするから体表には腸炎ビブリオ菌や表皮粘液毒という毒がついている場合があるんだよね。
さてこの世界の漁師は食べるのか食べないのかちょっと実験だ、俺はシイラを捕獲、漁師の所まで持って行くそしてシイラを渡す、おっさん満面の笑顔だった、やはりこの世界、カッパを食らうんだから魚が何喰ってようが関係ないらしいね、
今日の俺たちの夕飯はクサフグだった、3番の檻の脱糞カッパの野郎が味をしめてまた獲ってきやがったからだ、
俺は精巣と皮の部分を傷つけないように取り 精巣と皮を脱糞カッパにくれてやる、すると脱糞カッパは嬉しそうに食べていた、テトロドトキシンは昨日よりも摂取しただろうから観察してみる、本日のテトロドトキシンは昨日と比べ当社比2倍である、
今日は昨日に比べてテンションが高くなってる、「クケェ~キョホッホ~」とかなりキテル様だ、大丈夫かなこれ俺はちょっとだけ心配になる、
昨日より更に腰を振り始める、超高速カクカクだ!目の焦点も定まらないし体中から体液を迸らせながら「クケェ~キョホッホ~」と叫んでいた、ん~テトロドトキシン当社比2倍はこうなるのかと実験結果を更に観察していく、
結果、翌日は漁には使い物にならなくなるくらい脱水症状を起して殆ど動かなくなっていた、ちょっと俺は責任を感じちゃったんだよな、って事で脱糞カッパが元気が出る様なのを獲って来てやることにしよう、
俺は頑張った、クサフグが獲れた、 精巣と皮がヤバい部位なんだよねこれは、脱糞カッパもきっとこれで又元気になる事を祈りつつ獲って来たんだw、
その他ちゃんと仕事もしたよ、本日の獲物は貝だ!しかも牡蠣なんだよね、これも選んで取って来たんだ、
牡蠣に「あたる」人が多い理由、その多くはノロウィルス、腸炎ビブリオ、貝毒が原因といわれているんだね。
牡蠣はプランクトンを餌として中腸腺と呼ばれる内蔵部分に取り込むんだけど、その際に同時に取り込む海水の中にノロウイルス等が含まれ、牡蠣に蓄積されてしまう場合があるんだ。
また、生牡蠣を調理する過程で腸炎ビブリオや大腸菌など、ウイルスや菌が牡蠣に混入してしまうこともあるんだよね、
それで俺が選んだ牡蠣のいた場所はちょっと潮の流れの悪い所で下が綺麗な砂じゃない所だ、大量に撮って来た、そして綺麗な場所で獲って来たのも幾つか入れておいたんだ、ちゃんと解るように印をつけておいたんだけどね、
漁師にそれを渡して俺が安全だとアピールする為に試食する、当然安全な印をつけた奴だ、貝取り用のヘラで口を開けちゅるんと食べる、5個くらい食べて見せると漁師も一個同じ様にして一個食べる、俺は貝殻を片づけるフリをしながらニヤリと笑った。
翌日仕事は休みになった、っで脱糞カッパにクサフグを食わせてみた、二日酔いには向い酒ってのがあるから向かいテトロドトキシンってやつだ! なんだか元気になってキタっぽいぞ、ゆっくり腰をカクカクし始めた、おお!回転数が上がっていく、脱糞カッパ復活か!と思ったら急激に回転数が落ちてきて、とまった、焼きついたのか?と謎な事を思いながら観察する。
俺は注意深く脱糞カッパの生存を確認する、スピースピーと呼吸音が聞こえるから生きてるんだろうと安堵しつつ今日の予定を考える、とは言ってもやる事は限られているんだけどね、
続く
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