仲間?
俺達は食事を済ませ、焼き串をお土産に宿に戻った。
ベッドの中で蹲うずくまってピーピー泣いてる奴がいた、
「ほら、ドラケン君串肉買ってきたぞい、食べて元気出しなさい」
俺は串肉の入った袋を頭からかぶってる毛布のそばに置いた、毛布から手が出てきて袋を掴んだと思ったら一瞬で毛布の中に引き込まれていた、
「ドラケン君、そろそろ出てきたらどうじゃな、」
「そうよ~リコーダーの事なんて覚えてないからさ~」
そう言った瞬間に毛布がガタガタ震えだした。
「エリーさんや、完全にトラウマになってしもうたようじゃのう」
「意外と軟弱だったんですね~」
エリーさんはどうやら悪鬼になってしまった様だった、
「エリーさんや、このままじゃ使い物にならんから、なんとかせんといかんのう」
「わかりました、自重します」
「そんな訳だからドラケン君出てきてくれんかのぅ」
俺は考えた、ドラケン君もまだ青少年だ、思春期真っ盛りって奴だ、
そんな所にドラケン君が一目見ただけで頬を染めてしまうような乙女のおっさんが現れた訳だ、
が実際には見た目は美少女中身は40のおっさんなんだ、この事実を伝えれば、この状況を打開できると思ったんだ。
「ドラケン君、これから重大な事を話す、心して聞くように、」
毛布の塊がちょっと動く、
「先ずここにいる俺はカッパ獣人ではなくリアルカッパである、」 なんだそのリアルカッパってw
「そして、この美少女のエリーさんの中身は実は痩せこけた40のおっさんである、」
俺達の経緯を詳しく説明して聞かせたんだ、
毛布が一気に跳ね上がり、
「なんだって!!!!!!!!!俺の初恋の相手は痩せこけた40のおっさんだったなんて、」
「お~ほっほっほ、今まですっかり騙されていたようねドラケン君」
「俺の純情を返せ~ うわ~ん」
なんだかドラケン君泣いちゃいました、
「まあそんな訳だからあんまり気にする事もないぞい」
やっとドラケン君を再起動させる事に成功した俺たちは修業に励むのであった、
「今日はダンジョンにでも潜ってみようか、」
俺は修業も兼ねて素材採取をしようかと思い提案する、
「そうねスライムの核も残り少なくなってきたし、ちょっと行ってみましょうか」
「俺は暴れられればどこでもいい」 ドラケン君が答える、
ダンジョンの一階層のゴブリンはスルーしていく、俺が念話で襲ってきたら返り討ちにしなきゃいけない事を伝えると、皆隠れていった、
そんなやり方で無駄な殺生をせずにスライムの核を集める、ドラケンはうずうずしながら
「早く下の階にいこうよ~」と、どこのデパートに連れて来ておもちゃ売り場を目指す子供だよ、と思いながらスライムの核を集める、
そこそこ集まったので6階層まで下りる事にした、
1階2階はゴブリン3階はコボルト4階はオーガ5階はマンティスと言う巨大カマキリだ、
そして6階、牛っぽいのがいっぱいいた、牛鬼って奴だ、体長5m位で大きな蜘蛛の様な体に牛の顔した鬼の頭がそこにあった、
動きはそんなに早くはない、ドラケンが剣で関節部を切りつける、流石に本物のドラゴンとやり合っただけあって凄まじい戦闘能力だ、次々牛鬼の頭を撥ねていく、
乙女のおっさんは槍を希望したのでアイテムボックスから出して渡した、流石ホムンクルスボディ、動きの早さと膂力は見た目からは想像できないものが有った、俺、乙女のおっさんが戦ってる姿、始めて見たよ、
俺はファンネルで額に一撃で脳を切断するが、まだ動くんだよこれ、なので頭全体を分子振動させる、ボコボコと頭蓋骨の中身が沸騰して動きを止める、なんかエグイなこの攻撃って、俺達は素材を回収して更に7階へ降りた、
7階に降り立つとそこには冒険者たちの死体の山が築かれていた、状態から見てまだ新しい死体の山だ、狩った食料を山にして積んでおく、こんな習性を持った魔物を俺は知っていた、
「この階層は鵺のいる所だ、耳を塞げ!」俺は慌てて指示を出す、
「急いで入口まで戻るぞ」俺はそう言って撤退を促した、
すると俺の足を何者かが掴む、目を向けると両足が齧り取られた青い毛の獣人が俺の足を掴んでたんだ、
上半身だけでここまで這って来たらしい、凄まじい生命力と執念だ、
俺は声を出さずにそいつを担ぎ上げ入口を目指した、6階に戻る所で俺は応急処置をする、これ以上血が無くなればコイツはもう二度と動かなくなる、そう思って齧られた足の部分を焼いて止血した、余りの痛みの為気を失った様だった、
「ドラケンすまんがコイツを担いでくれんかの」
「おう、まかされた、」
「大至急街にもどるぞい」
そう言ってこの場を離れる、念話と殺気を飛ばしながら
「オラオラオラァどけや~近づくと殺すぞ~」
更に殺意と敵意を振りまきながらファンネルを待機させて駆けていく、
ダンジョンから出た所で一休み、
冒険者を観察する脛から下が両足齧られている、背中に剣で切られた跡、手も潰されている、
「なんだ?この獣人魔物にやられたんじゃないみたいだな、足はそうだけど最初背中から切られて手を潰されて戦えない所を食われたのか」
そんな感じだった、取り敢えず俺はこの青い毛色の獣人を街まで運んだ、
この街は最優秀民族同盟アルカニダが幅を利かせてる街だった、前は違う名前の町だった様だが今はソウルと言う名前に変更されていた、
俺は冒険者ギルドに行って治療師に引き渡してこの街からすぐに出ていこうと思ったのだが、
「そんな野良猫うちにはいらないニダ」
「そうアル、両足のない奴隷何て貰っても飯の無駄ってものアルよ」
「って言うよりその野良猫まだ死んでいなかったアルか」
「ウリが背中から切ったのにまだ息が有ったニカ?」
「まあ、その状態ならすぐに死ぬニダ、ここで死なれると面倒だから街はずれの墓地にでも捨てておけばいいニダよ、ゥェ―ハッハッハッ」
「良く判りました、」俺はそう言ってこの獣人を担ぎ町を出る事にした、
「また奴らだったね、しかもこの人を殺そうとしたのもアイツらみたいだし、」乙女のおっさんが言う
「ちょっとこの獣人さんを治してからもう一度挨拶しに行ってみますかのぅ」
「荒事になるのかい?カワタさん」ドラケンが楽しそうに笑う、
「取り敢えずこの人の治療が先だ、街に来る途中に猟師小屋みたいなのが有ったからあそこへ行こう」
俺達は猟師小屋を目指す、
小屋に付いた俺たちは早速準備に取り掛かる、乙女のおっさんは小屋の掃除、ドラケンは食料を取ってきてくれ、俺も川で魚を取って来る、そう言って各自の仕事に就いていった、
俺は川でパコを繰り返す小エビ小魚、大物はいないんだよこの川、だから俺は量を集める、業務用の大鍋に入れてて水分を出してから分子振動させて煮込む、それから水分を減らし流動食にするべく全てを磨り潰す、全部で40kg程創れた、
俺は小屋に戻り流動食を冷ます、そして俺は獣人の背中の傷を手当てする、俺の手と翳した部分が発光して傷口が塞がっていく、更に潰された掌の治療だ、俺は過去に見たレントゲン写真の手の部分をイメージする、
獣人の手を握りながら形を整えていく、腱、血管、神経の接続、何とか形を取り戻す、
俺は朦朧とした意識の獣人に尋ねる、
「手は動くか?」
獣人は手を動かし頷く、
「お前さん声が...」そう言うと獣人は口を開けて見せた、
舌が切り取られていたんだ、
俺は怒りに震えた、一つの決心をする、
「わかった、あなたの舌も治しましょう、足も元に戻るから安心なさい」
獣人は驚いたように目を丸くした、この目は猫獣人で間違いない様だった、
【ピンポンパンポ~ン】
頭の中で又あの音が響いた、
続く




