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転生したら...俺カッパだよ  作者: 七味とうがらし
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龍人(ドラグニュート)

 俺達はシナノって街を目指している、これもG・O・Dさんからの指示だ、さっきから快調に砂埃を上げながら走っている。


 途中で魚を取り薬草を摘み綺麗な水源が有れば再生草を採集して進んでいく、体にしみ込んだ貧乏性が何もせず旅をすると言う事を許さない様だ。


「乙女のおっさんなんでもシナノの街のギルドマスターは龍人だって話だよ」


「あらそうなの?、でもこっちにもカッパ獣人がいるから負けてないわよ、」


また訳判らんこと言ってた、この乙女のおっさんは、


俺は遠くに噴煙を上げている山を発見する、山、噴煙、火山、温泉、そうだ温泉に行こう、


俺は突発的に温泉に行きたくなったので一寸だけ寄り道することにしたんだ、



ちょっと足を延ばして火口の様子も見てみようと火口までいったら龍人が何か作業をしていた、


見た目は老人っぽいが人の姿と大きく違う所が有った、立派な2本の角と頑丈そうな爪、それに尻尾である、


「ちょっとお尋ねしますが何をやってらっしゃるんかのぅ」


「いや、お前さん方もこんな危険な所まで上って来てどうなされてんじゃ?」


「儂らは物見遊山の観光できたんじゃが」


「わしは温泉卵を作りにきてたんじゃよ」


「温泉卵ですかいいですね~」乙女のおっさんがそう言った、


「一個たべるか?温泉卵」


「いいんですか?」と言って儂らは卵を一個づつ貰った、


代りに一本酒を渡してみた、


「おお!かえってすまんのぅ頂いちまって、良かったらわしんちへ寄ってかないか?」


山の中を一直線で走り抜ける、山4つ程超えたら平野が見えてきた、普通の人は軽く置いて行かれる勢いだね強化したかっぱだからついていけたんだよ、しかも強化しても追いつくのがやっとって感じだったんだ、


「あそこがわしの家でありシナノの冒険者ギルドじゃ、っでそこのギルドマスターをやっておる」


「あそこがシナノの街ですか、意外と近かったのぅ」


「そうじゃな、普通の道を行くと山を大回りしてこないといけないから5日は普通にかかるじゃろ、」


「しかしご老体に娘さん、良くついてこれたのぅ」


「ぶっちぎるつもりだったんかい!」思わずツッコミいれましたよ、


「いや~すまんすまん、スピード上げても付いてくるもんだからつい、あははは」


「っでギルドマスターさん、何故儂らを試したんじゃ?」


「流石に判ったか、実はちょっと夢を見てな、相談に乗ってくれる御仁がここにやって来るといわれてのぅ」


「ひょっとして何方か大けがをして欠損部位があるとかの事かのぅ」


「名乗らず失礼した、わしはこのシナノのギルドマスターのドライゼと言う、」



「カワタです、」「エリザベートです、」互いに名乗り合う


「っでドライゼさん儂らの出来る事は限られているんじゃが、それをお望みなのかのぅ」


「それで間違いないと思うのだが本当にそんな事が可能なのか?」


「可能ですじゃ、材料さえあれば、」


「ほう、それはどのような材料で?」


「その前に患者に合わせてくれんかのぅ」


「うむ、ついてきてくれ、」街はずれのこじんまりとした家が有った、


「義父様お久しぶりで御座います、」


「うむ、久しいの、孫のドラケンはどうしておる?」


「離れに...」


「そうか、邪魔するぞ」そう言って離れに向かう、離れと言っても岩でできた牢獄の様な場所だった、


その牢獄の様な岩屋に一人の龍人がいた、その龍人は右腕欠損両目を潰され尻尾は根元から欠損右足は膝から下が無かった、気配に気が付いたようだ、


「誰だ、誰でもいいから俺を殺してくれ、頼む、殺してくれ、」


「ドライゼさん、これは一体どうしたことで?」


「うむ、つい半年ほど前なんじゃがこの街の東にあるダンジョンからドラゴンがでてきてのぅ、被害を食い止めるべく討伐にでたんじゃ、がなんとか討伐できたものの我が孫ドラケンがこのような姿に、」


「ほう、それで儂らが呼ばれたと、」


「しかし本当に欠損部位の再生なぞ出来る物なのか?」


「出来ますじゃ、が、何故このような岩屋に閉じ込めているのかな?」


「目も見えず立って歩くことも出来ずそれで世を儚んで自害する事ばかり考えるようになってしまったのじゃよ、それで何もないこの岩屋へ入れたんじゃが...」


「ドラケンさんや、あんた自害したいのかね?」


「だれだ?其処に居るのは、頼むあんた俺を殺してくれ、このままでは俺は俺でなくなってしまう、その前に頼む、殺してくれ、」


「そうじゃのう、じゃあ先ずはその目が見えるようになってからもう一度話を聞かせてもらってから殺す事を考えてもいいかのぅ」


「あんた、何を言ってるんだよ、俺の両目はドラゴンの酸で焼かれて目玉自体が無くなってるんだぜ、もう二度と光を見ることは無いんだよ、」


「ほう、そうなのか、それで見える様になったらどうするんじゃ?まだ自害する事を望むのか?」


目が見えても使える体が無いと生きている意味がねえ、


「贅沢な御仁じゃのぅ、では体全てが元に戻ったら何とする、」


「決まってる、今度は負けねえ、そして全てを守り切って見せる」


「良い答えを貰いましたよ、ドライゼさん儂らにこの患者任せてみてくだされ」


「本当にやって頂けるのですか、カワタさん」


「より良き世界を目指す者であればこの選択は当然じゃよ、もし心が捻くれて修復しようがないと言う事だったら儂らはこの場からすぐ立ち去るつもりだったんですじゃよ」


「そうでしたか、ドラケンが腐りきる前で良かった、と言う所ですかな」


「まあそんな所ですじゃ」


「カワタさんこの近辺にアノ薬草生えてそうな所ないかしらね?」


「来る途中の山間の泉に群生しとったが、あれでいいんじゃないかのう」


「じゃあちょっと多めに採ってこないと、尻尾で大量の軟膏が必要になって来るわよ」


「うむ、取り敢えず手持ちの薬草で目だけでも再生して行くかのぅ」


「そうね、目だけなら手持ちの薬草で間に合うからそうしましょう」


「と言う事でドライゼさん龍人を固定できそうな岩の拘束台、どこかに無いかのう?」


「拘束台...何故そのような物を、」


「いや~ちょっと激痛で暴れて薬が塗れないと治りませんからのぅ」


「判りました、拘束台と拘束具は作りましょう、明日には作業終わります、カワタさん宜しくお願いいたします」


俺はドライゼさんに両手をしっかり握られ依頼を受けた、


翌日、俺たちは朝からスライム獲りだ、大量に獲って核の部分を大量に集めた、それを薬草と混ぜる、これを乾燥させれば出来上がりだ、平らな板に薄く延ばして乾燥させ、後は患者の細胞を練り込んでやれば再生軟膏の出来上がりだ、


今は午後5時頃だ丁度いい頃合い日差しが強い時間帯だと目に負担来るからね、さて、そろそろ始めますか、


「エリーさんは軟膏を塗ってください儂は栄養補助食品をいれていきますじゃ、ドライゼさんは拘束具が外れないようお願いいたしますじゃ」


「皆さんよろしいですか?麻痺薬を使いますが、麻痺させているにも関わらず体は動きますからしっかり抑えてくださいね、最初に焼けて残った眼球を切除します、そしてその細胞を軟膏と混合してから眼球の無くなった部分に塗布し続けていきます」


「では眼球摘出作業開始します、」


ドラケンの頭は拘束台に鉄のバンドで固定され、更に首の部分にも鉄のバンドが付いて顔が動かない様に固定されている、体も次の欠損再生部分を作業するために固定してある、


「グオオオオオオオオオオオオオオ」


うめきとも叫びとも判断の付かない声を上げるドラケン、


施術から1時間、眼球がもとに戻ったドラケンは、


「ウオオオオオオオオオオオ」


と喜びの雄たけびを上げていた、


「どうじゃな、ドラケン君、儂が見えるかな?」


そう聞くと、


「はい、カワタさん良く見えます...」


「ん?見えてるんじゃろ?」


「はい、見えてるんですが...カワタさんだカッパに見えてしまうんです」


「あ、え、い、いや、それは、きっとまだ本調子じゃないからじゃろ、ふぉふぉふぉ」と笑ってごまかす


こんな所でカッパだとバレたらめっさヤバいじゃんか、


「じゃあ、まあ、そう言う事で足と手と尻尾の準備が有りますのでお先に失礼させて頂きますのじゃ」


そう言って慌てて出て行った、


「やべ~バレたかと思った」


「多分完全にバレてるわよ~、でも恩人カッパを食べちゃうってのは多分ないから大丈夫だと思うわよ、やはりここはカッパ獣人ってことにしておきなさいよ、」


「マジっすか、俺カッパ獣人やるっすかwモノホンのカッパなんだけど」


「もう開き直ってそうしなさいよ」


「じゃあそうするよ、」俺は一寸だけ開き直ってみる事にした、


翌日、「やあ、ドラケン君カッパ獣人のカワタだよ、今日は欠損部位の再生だね♪頑張っていこうか」


おれはめっちゃ陽気に語り掛けたんだよ、でもドラケン君引きまくりだった、


「カワタさんさっさとやっちゃいましょ」乙女のおっさんが俺を現実に引き戻してくれた、


手順は腕、足を本日行って翌日に尻尾となる、取り敢えず今日を全力で作業する事に専念する、


「では手から始めましょう」乙女のおっさんがそう言うとドライゼさんが斧を振り上げるそして、


綺麗に切断された欠損部位の破片を薬草に混ぜこみ、以前に施術した虎獣人のステファニ―さんで使った分の2.5倍の栄養補助食品を俺は流し込む、やはりかなりの苦痛な様だ、悲鳴とも叫びともつかない声で叫んでいる、


やっと腕が左右同じ長さになった、


「体力気力が有れば今足をやりますがどうですか?」乙女のおっさんが質問する、


「是非お願いします、」ドラケンの凄まじい決意の表情が見られた、


「では引き続きお願いします、ドライゼさん」


「むん!」一撃で太く筋肉質の太腿中程から切り飛ばす、


冷やされた太腿の切り口に軟膏が塗られる、そしていつものようにその部分が成長していく


「カワタさん栄養補助食品の骨の割合を500g増やして下さい」


「了解した、」そう言って骨粉を500g栄養補助食に混ぜていく


作業を始めて6時間が過ぎた、


「あと1cmです、補助食品足りますか?」


「こっちは大丈夫じゃ、軟膏の方はまだ行けますかのぅ?」


「問題ありません、このまま続けていきます、


「了解」


それから30分後


「欠損患部の余分な軟膏は全てふき取ってください、綺麗にふき取らないと患部が変形を起こしますから」


ドライゼさんがドラケンの母を呼ぶ、


「ドラミさん孫は無事に手足の再生が出来ましたよ、あとは尻尾だけじゃ」


「義父様有難う御座いました、これでお役に立つ事が出来ます」


「いいやドラミさん、あの子の人生にわしはもう口出ししない事にしたんじゃよ、これからは自由に生きて欲しいと思うんじゃ、わしがあの子の人生を歪めてしまって申し訳ないと思って居る所じゃ」


「明日は最後の欠損部位の尻尾ですが今回より時間がかかると思います、その分痛みも続くと思いますがこれで最後です、頑張っていきましょう、」乙女のおっさんがそう言ってこの場は解散となった、




続く


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