テンシンの街
俺と乙女のおっさんはテンシンの街の冒険者ギルドに来ている、
「やあミンメイさん、お久しぶりですじゃ、」
俺は相変わらず行商の爺さんとして受付嬢のミンメイさんに挨拶をする、すると受付の所に張り紙を確認する、
【これで君も魔法使い】とポスターが貼ってありその前には小冊子魔法使い育成マニュアルと言うのがおいてあった、
「ミンメイさん、このポスターは何かのぅ?」
「はい、このギルドでは只今魔法使い増産キャンペーンをやってるんですよ、」
「マジっすか?」乙女のおっさんが呆けたように佇む、
なんだかいきなり目的が達成されちゃったよ、
「コージィ・コーナと言う方が魔法使いを増やせば生存率が上がるし、生活も楽になるからと言う事でこのキャンペーンを始められたんですよ、」 ミンメイさんが笑顔で答える、
コーナ一族か、俺は乙女のおっさんに目配せをして現状を確認させる
「それって誰でも魔法使いにして頂けるのですか?」乙女のおっさんが問う、
「カワタさんのお知り合いの方ですね、女性優先で魔法使いの為の施術を行っておりますから、施術は簡単で、注射って言うやり方で簡単に出来るんですよ、」
「そうなんですか?じゃあ是非ともお願いしたいのですが、よろしいですか?」乙女のおっさんが問う
「はい、では次の予約に入れておきますのでこちらにお名前と住所かギルドカードをお願いします」
「ミンメイさんこの娘は儂の知り合いの娘での、この街に来たばかりなんじゃよ、ギルドカードはまだ作ってないから先にギルドカードを作ってくれんかのぅ」
「はいわかりました、早速カードを作りますのでここにお名前をお願いしますね、」
エリザベート・タゴサク・ヤマダと書いてあった、これって日本語読みだと山田・田吾作・エリザベートって事だよね、
う~ん人の名前をどうこう言っちゃいけないよね、多分、w
「田吾作さん、早く登録を済ませたら魔導蟲の施術を申し込みますかいのぅ」
俺はわざとミドルネームで呼んでみた、
「カッパ、ブチコロース」とえらくプレッシャーのかかったドスの効いた小声で俺に騙りかけてきた、
うん、これからはエリザベートもしくはエリーと呼んであげる事にしようw
無事登録も済んで移植施術の代金も何故か俺が払った、妊婦さんの出産予定日が来週だとの事、明日は丁度大潮だから出産が早まるかもしれないのでこの街に宿を取って備える事にした、
結局出産日は予定日となり俺たちはこの街に一週間程滞在したんだ、その間に街の情報やら商材の研究やらで色々勉強になった、
ここはギルドの建物の中にある産院だ、先ほど赤ちゃんが生まれて初乳が赤ちゃんに与えられた、年配の熊獣人の看護師さんが更に初乳を搾乳して薬液と混合している、これで25人分の魔導蟲の移植培養液が出来ている、
早速魔導蟲の移植作業だ、ギルド職員の看護師さんが次々と魔法使い候補者に注射をして行く、
「は~い魔導蟲移植が済んだ方はこちらの部屋に集まってくださいね~」 先ほどの年配の熊獣人看護師さんが次の部屋に集めていた
「皆さんこんばんは、看護師及び魔法使い指導員のママ・モーリヤと言います、宜しくお願いいたします」
「これから皆さんが魔法使いになる為の心得と、魔法使い育成カリキュラムの説明を致しますので最後までよく聞いて下さいね、聞き逃すと魔法の力が弱くなってしまうかも知れないんですよ、」
この熊の獣人さんちょっと煽りながらちゃんと説明を聞かせるテクニックを使ってるね、なかなかやりますね、
一通り説明が終わって明日から魔法使いのトレーニングが始まるらしい、
トレーニングの講習は一日2時間、夜7時から開始だ、これは各自家の用事を済ませて生活に支障のない時間帯でやると言うギルドの考えだ、
それと魔導蟲を移植させて、最初から魔法が使えるわけでは無いらしい、魔導蟲が孵化して心臓の近くに寄生し、神経節を脳内まで成長させるのに半年かかるらしい、なのでそれまでは魔法の発動が無いとの事、
半年過ぎた頃のある日、夢を見るそうだ、その夢の中の人と会話出来た時に魔導蟲とリンク出来たと言う事らしい、それまでの期間は精神力の強化訓練とイメージトレーニングが重要になって来る、それを安全且つ効率的に習得するのがこのギルドの魔法使い養成カリキュラムである、
カッパは独学であんな魔法が使えるんだから私がちゃんと基礎から学んでいけばもっと強力な魔法使いになれるわよね、伊達に40まで童貞を貫き通して研究者やってた訳じゃないのよ、だって私は正に真の魔法使いなんだから、
この世界の魔法は精神力の強さにより魔法の威力や魔力量が変わってくるのよね、その人個人が持っている精神力(魔力)を増幅させるのが魔導蟲と言う寄生虫なのよね、でも魔導蟲にもランクが有るらしいと言うのも研究により判って来てるのよね、
私の魔導蟲はどんな子なのかしら、楽しみなのよね、
「おい、乙女のおっさん、何をにやけてるんだ?」
カッパまだ懲りて無い様ね、
「おっさんじゃないっつってんだろ、カッパブチコロース」
威圧してくるよ、コレ、からかうのもいい加減にしておかないとヤバいかな、と
「とりあえず儂は家に戻るが、お前さんはこの街で半年すごすのかいのぅ?」
「ん~、エリーはこのテンシンの街でとりあえず仕事をして魔法が使えるようになるのをまちますわ」
あ~このおっさん自分の事エリーとか言い張ってるよ、しょうがねぇなぁ、合わせてやるか、
「じゃあ、エリーさんとはとりあえずここでお別れじゃの、」
「ええ、取り敢えず冒険者登録をして薬草採取とかをするつもりですのよ、お~ほほほ」
ああ~おっさん随分舞い上がってるんだろうな、ってことで俺は乙女のおっさんを放置して帰路に就いた、
俺達は相変わらず城の中で発声訓練をしている、そのついでに言葉も教えてるんだけどね、この中で一番上達が早いのがメイジだった、次に以外にもキング、カッパ母の順だったね、
それでこの頃キング一人で街までお使いに行ってもらったりもしている、俺達の収入源だ、山間の薬草の群生地がいくつもあったんだ、それを採取した物とかを街のギルドに行って買い取ってきてもらってるんだ
あとね、ちょっと種類が違う薬草なんだけど、ある魔物の細胞と調合すると、被験者の傷口部分の細胞が急速に増殖を始めるって言うのを発見したんだ、これでまた商売のネタが増えたので薬草採取がんばりますよ。
続く




