古城
俺たちは朽ちた門の前にいる、城自体は石で作られているので問題は無い、
取り敢えず今日は日も暮れたし城の中に入って寝床を確保する事に、
っでさっきから気になる発光体がいるんだけどね、げっそりやつれたおっさんだから、ずっと無視してたんだけど、そしたら泣き声が聞こえるようになってきた、ちょっとウザいから話を聞いてやる事にした、
「っで?何 用が有るの?」
「おお!ちゃんと人間の言葉が解るんだね?」
「ああ一応元人間だからね、」
「ほう元人間ですか、っで今は食材のカッパにジョブチェンジしたと言う事でよろしいんですね」
「ジョブチェンジしたくてなった訳じゃないけどね」
「そうですか、それは大変でしたね」
「っで?あなたは何故発光体にジョブチェンジしたんですか?」
「いや~私は研究者やってたんですが没頭しすぎて寝食を忘れての過労死だった様なんですよ、」
「っで何の研究をやっていたんですか?」
「ホムンクルスってわかります?」
「ああ、人工生命体のアレですか?」
「はいそうです、っであと少しで完成の所までこぎつけたのですが、この有様で実験が出来なくなってしまったんですよ」
「それで念が残って今に至ってる訳ですか」
「いや良くご理解できましたね、」
「これでも前の世界では多少勉強してましたから、」
「ほうでは貴方は転生者なんですか、」
「まあ そんな所です」 間違えて扉開けてこっちに落ちた何て言えないよな、
「では転生者様に一つお願いがあるんですが、」
「なんでしょう?」
「地下にあるホムンクルスボディにこの私の魂を定着させるのを手伝って頂きたいのです」
「マジっすか?」
「はい」
「それが出来るって事はボディを何度も替えて永遠に近い寿命を得るって考えでいいのかな?」
「永遠は無理ですが1000年2000年は行けると思いますよ、トラブルが無ければね」
「トラブルって?」
「ホムンクルスボディの魔力を全て使い切ってしまうと2度と再起動できなくなるんです、」
「え?それってもう実証済みって事?」
「某錬金術師と共同開発したプロト2って言う2機目のボディが 魔物のスタンピードを殲滅した時全ての魔力を放出してボディが石化して以降、再起動できなかったですよ」
「研究者の心得があるお方とお見受けして是非ともお願いしたいのです」
「わかった、今日はもう遅いから明日朝から掃除を始める、それが終わったら検討して行こう」
俺は皆に明日の予定を伝える、キングは酒樽を抱えてメイジはスルメを魔法で炙ってる、仔カッパのフェルとメルは甘味を、そして母カッパはフェルとメルが美味しそうに甘味を食べてる姿を見て微笑んでる、
飯を食い終わってから人間に捕まらない為の技を覚える練習をする、
先ずは発声器官の無い生き物なので声を出せる練習からだ、発生方法は食堂発声法だ!
って事で空気を胃の中に送り込む練習からだ、それで空けて翌日、
そこそこ掃除をして朽ちた門を治してから俺は地下室へ、
「おっさんいるか~」俺はそう言いながら階段を降りていく、
頑丈な扉、鍵がかかっているが念話が聞こえる、
「あ~鍵は足元の植木鉢の下にあるから」
どこの昭和の鍵保管場所だよwと思いながら植木鉢の下から鍵を取り出し扉を開ける、
鍵を開け部屋に入るとガラスで出来た円筒形の水槽が4機程確認できた、
中には不透明な液体が入っていてその中に人型の何かが漂っている、
そして発光体が現れた、
「おっさん俺は何をすればいいんだ?」
「先ずは魔力計のチェックからいいですか?」
「はい、どれを見ればいいのかな?」 左のコンソールに有る1番から15番のゲージが全部グリーンゾーンに有ることを確認してレベル以外ならゲージに付いているバルブを空けるか締めるかするとゲージの針が動くからそれで調整してね」
「2番5番8番9番11番15番がイエローで10番13番がレッドだ、調整する」
「よし出来たオールグリーンだ」
「ほう上手いもんですね」
「ああ、初期のZ1のキャブやCBX1000の6連キャブのバキュームゲージ合わせるよりよっぽど楽な作業だ」
「次は金庫の中から賢者の石を一粒出してきて、金庫の番号は右に18左に36右に91左に3これで開くから、」
「よしこれでいいのか?賢者の石ってのは、」赤黒い石を取り出して見せる
「はい、それでいいですよ」
「次はそれを2号の水槽にある投入口から絶対に跳ねを出さない様にゆっくりと入れてね、跳ねると爆発してここら一帯が吹き飛ぶから」
「とんでもないの使ってるんだなちょっと震えるぞ」
そ~っと入れる、すぅっと水槽に吸い込まれるように落ちていく、そして反応していく様子が見える、
「じゃあ私は水槽に入っていきます、そしてこのボディに定着出来たらすぐに水槽を破壊してください、じゃないと窒息死してしまうんですよ、」
「それって欠陥仕様なんじゃないの?まあいいけどね、定着出来たら手を振ってね」
「では行ってみます、すぐ手を振りますからね。お願いしますよ」
そういいながらおっさんはホムンクルスボディに入っていった、
5秒後水溶液のホムンクルスが手を振り始めた、俺は用意してあったハンマーでガラスの円筒を思い切りぶっ叩く、
ってか割れないよコレ、質のいい強化ガラスだねこれって、水溶液の中でもがき苦しむ人影がヤバい状態になって来てる、
俺もこれはマジでヤバいと思い魔法を発動「カッパファンネル!」側面を円形に穴をあけ水溶液が流れ出る、
「グヘグヘゲボボ」変な声を出しながら立ち上がって来たのは金髪碧眼全裸の美少女だった」
「おっさん!ボディ間違えて入れちまったんじゃないのか?」
「おお!大成功だ!私はもう40のおっさんではない!16の乙女になったのよ!しかもこのナイスバディ正に不死身の乙女として蘇ったのよ、お~ほほほ」
ウハッひょっとしてこの人って本来ならセーラー服とか来ているオッサンだったのか?と、しかも笑い方に無理があるし、
「本当にこのボディで良かったんですか?」
「全てはこの究極の美の為のホムンクルス化そして女湯へ入り放題なのよ!お~ほほほ」
うわ~俺変態を創っちまったのか、なんという...取り返しのつかない事をしてしまったんだ...
気を取り直して俺は問う、
「お~い乙女のおっさん、あんたこれからどうするんだよ」
「なによもう、おっさんじゃないんだからっ、ぷんぷん」
「いあ、あんたさっきまで40のおっさんだったじゃん、自分で言ってたじゃん」
「それは言葉のあやって奴よお~ほほほ」
「もういいや、諦めた、っでおっさんこれからどうすんの?」
「研究を続けるに決まってるじゃない、何言ってるのよおバカさんね、うふっ」
「少し安心したよ、おっさんを世に放つなんてそんな事をしたら俺は自責の念で押しつぶされてしまう所だった」
「とりあえずこの城は金を払って購入したので誰か知らん奴が来ることは無いと思うし、ここのセキュリティシステムも相当な物なんじゃないの?」
「特に屋根にいるガーゴイルの石像もどき、あれ稼働出来るんでしょ?」
「あら良く判ったわね、いざとなればあなた方を排除するのは簡単な事なのよ、でもそんな無粋な真似流行らないから安心して」
「じゃあ何が目的なんだ、」
「私の目的は未来に約束された事を守るために此処にいるのよ」
「又訳の分からない事を...って未来に約束されたって、おっさんは未来から来てたのか、そしてこの時代で何かを成さないと未来が変ってしまうって事なんじゃないのか?」
「あらあらや~ね、あなた何処まで知っているの?」
「いや、オレは何も知らない、」
「そう、いいわそれでも、今は互いに不干渉と言う事で行きましょうか」
「ああ、じゃあそれで」
こうして謎の乙女のおっさんと共同生活をすることになった、
続く




