49 ストレス発散
俺の命令に忠実な?下僕達2000人を引き連れてエレウス山脈に向かって5日…。
善は急げ、疾きこと風の如くの言葉通りに急かしながら到着した。
「それで婿殿、これからどうしますか?」
「ちょっと待ってください。」
俺の隣にいる男の人はクゼル・モンシア。エマのお父さんだ。伯爵軍の将軍を務めているのだそうだ。
クゼルは屈強な体に鋭い目をしている…いわゆる、強面の男だと言っていい。しかし、その瞳の奥にはどことなく穏やかさを感じる人だった。
そんな人を俺の補佐に付けてくれたのだ。伯爵軍の懐事情が緊急であると思わせる。だから、何としてでも金を見つけて帰らなければならない。
探知魔法を発動して、正確な金の場所を探り当てようと行動を開始した。
「クゼルさん。あそこ辺りを掘削して下さい。」
「心得た。お前達!」
「「「「「はっ!」」」」
俺が指示する場所にクゼルは手勢の魔術師5人に命じて掘削させた。
「クゼルさん。あそことあそことあそこも掘削させて下さい。」
「了解した。」
何度か同じ様なやり取りを行って、掘削は200人の魔法士が担当、周囲の土運びや金の採掘は1800人の兵士達に任せた。
「少し休憩をするか。」
疲れたと言わんばかりに溜息を付いて呟くと、クゼルさんは飲み物を持って声を掛けてくる。
「婿殿。お疲れでしょう。これをどうぞ。」
「ありがとうございます。」
「それにしても、婿殿はすごいですね。」
「何がですか?」
「金鉱の場所を探り当ててる事とか、アレックス様達を救い出して此処まで連れてくるとかです。」
「まあ、魔法には自信がありますからね。」
「そして、エマの心を奪うとか…。」
「ぶっ!」
思わず口に含んだ飲み物を吹き出してしまった。
「いや、その…すみません。」
「いや、いいんですよ。あの子がこんなにも心を許す人なんてカナちゃん以外にはいませんでしたから。」
「そうなんですか?」
「ええ。だから、あの子の事をよろしくお願いしますね。」
「はい。」
「くれぐれも泣かせないようにね?」
そう言いながら、クゼルさんは俺の肩に手を乗せてくる。それも重く、力強く…。
痛いし思い…。そして何よりもクゼルさんの笑顔が怖い。泣かせるなよ?泣かせたらわかってるよね?いい?死ぬよ?全力で追い詰めるよ?と言わんばかりだった。こいつも親馬鹿だと悟った瞬間だった。
「ええ…。勿論ですともクゼルさん。そんな事するわけないじゃないですか…。」
「そうかね?それならいいんだけど、君が幼い子に目がないと小耳に挟んだものでね。」
そんなわけあるか!誰だ!?そんなデマを流した奴は!出てこい!ぶっ飛ばしてやる!
「それはユイの事ですか?」
「ユイちゃんと言うのか、あの子は…。」
「はい。」
「で?本当なのかね?」
「いえ、あの子は妹として育てています。」
「そうか。なら、よかった。くれぐれもエマを泣かせないようにね?」
「わかってますよ。」
「それから、僕の事はお義父さんって呼んでくれてもいいんだよ?」
「いや…、それは、「お義父さんって呼んでくれてもいいんだよ?」…。」
俺の言葉を聞こえなかったかのように重ねてくるクゼルさん…。正直怖かった。目が笑っていなかった。
「はい。お義父さん…。」
クゼルさんの圧に屈した。怖かったから…、そして何よりも剣の柄を掴んでいたから、刺されそうで怖かった。
十分?休憩をしたところで、金脈を探り当てる作業を再開する。
要は逃げたのだ。もう、あれ以上あの場に居たくなかったからだ。他にもいろいろと言われそうだったからね。
俺の脳内レーダーに感有りと反応をキャッチしたが、かなり深い所にあるようだ。軍に所属する魔法士達では無理だろうと判断して、俺自身が掘削する事にした。
「クゼルさん、兵を500人ばかり貸してください。」
「何をされます?」
「他にも金が眠ってる所があるんですが、かなり深そうなので俺がやりますよ。」
「分かりました。お前達500人はヴェルナルド殿の指示に従え!」
「はっ!」
クゼルの命に従って俺に着いてくる兵士達に掘削の準備をさせると掘削の魔法を発動した。
軍に所属する魔法士達の数十倍の速度で掘り出される土、土、土…。周囲の兵士達は目を丸くして、その様子を唖然と見つめていた。
「おいっ!何をぼさっとしてる!?早く土を運んで行け!」
「はっ!」
あまりにも動かない兵士達に、ついイラっとして命令してしまった。
いかんね、怒っちゃったよ。やっぱり、ストレス溜まってるんだねと思いつつ、反省する。
地下300メートルまで大きな穴を空けつつ、掘り進んでから後の事は兵士達に任せた。
「それにしても、婿殿の魔法は凄いですね…。」
「何故です?」
「我が軍の魔法士達はまだ掘削も終えていないのに、最後に掘削を開始した婿殿に負けている。」
「クゼルさん…、俺を誰だと思っているんです?龍を屠りし者ですよ?三流以下の魔法士達に負ける筈がないじゃないですか。」
さっきの仕返しとばかりにストレスの溜まっている俺の毒舌に、クゼルさんは目を丸くしていた。
「いやはや…。手厳しい…。」
謝られちゃった。ごめんね…クゼルさん。最近イライラが止まらないの…。
王都では護衛、ベハインド公爵の謀反で数々の敵兵の命を奪い、そしてあの男から逃げ出した心労でストレスが溜まりたい放題だったのだ。
「もし、よろしければ我が軍の魔法士達を鍛えてやってはくれませんか?」
「…。」
この俺に、まだ働けと?まじで?スパルタで教え込んじゃうよ?
「それは…、いいですけど本気でやっちゃいますよ?」
「そうでなければ意味がありません。あの者達は魔法が使えると言う事に胡坐をかき、他の兵士達を馬鹿にしているきらいがある。」
「…わかりました。根性叩き直してやりますよ。」
『ふふふ』と不気味な笑いをクゼルさんに向けると目を逸らされてしまった。
あれ?俺なんか悪い事した?と思ったが、クゼルさんは俺の裏の顔を見てしまった感じで恐れているような感じがした。婚約者のエマのお父さんに不味い事をしちゃったかな?と思いつつ、まあいいかと気にしないでおいた。
大量の金を掘り出した俺とクゼルさんは1500人の兵士達に金の採掘を引き続きするように命令して戻る事にした。
「婿殿、お手柄ですな。こんなに大量の金を…、流石ですな。」
「ヴェル。凄いじゃないか。」
「お帰りなさい。流石はヴェル様ですね。」
「お帰りなさいませ。ヴェル様。」
「ヴェル君。お帰り。本当に凄いね。」
「お兄ちゃん、おかえり。」
「グギャ(おかえり~)」
皆、驚き過ぎだよ。魔法を使えば造作もない事だからね。魔法に不可能はない。
そんな不可能のない魔法を使える俺は凄いと言わんばかりに胸を張って踏ん反り返ってみるが、ディフィカルトから落ちそうになった。慣れない事はするもんじゃないね。
「ただいま。皆、寂しかったかい?」
調子に乗ってナルシスト的になってみた。
「ヴェル…。」
「「「ヴェル様「君」…。」」
こいつら…。冗談だって…。頼むから、そんな可哀想そうな人を見る目で見ないで、傷つくから!傷つくからぁ!
「ん、寂しかった。お兄ちゃん。」
「グギャ(うん)」
「おお!ユイ、フレイムぅ、お前達だけが味方だよぉ。」
素直なユイと子供のフレイムは俺に縋るように抱き付いてくる。目頭が熱くなりそうな感じだった。思わず、ユイとフレイムを抱き抱えちゃったよ。ユイとフレイムは嬉しそうに笑っている。
そうだよ…。これを待ってたんだよ…。
「アレクもシルヴィもエマもカナも冷たいよね?ユイ、フレイム。」
「ん。」
「グギャ(うん)」
アレク達にジト目を送ると言い訳してくる。
「そんな事はないさ。会えて嬉しいよ。」
「そうです。ヴェル様と離れ離れになって寂しくないわけないじゃないですか。」
「そうですわ。寂しかったですわ。」
「うんうん。」
本当かよ…。凄い嘘臭い…。
「その割には人を可哀想そうな人を見る目で見てたね。」
「それは、ヴェルが恰好を付けていたから…。」
「いえ、それは…。」
「ええ…。」
「…。」
シルヴィ、エマ、カナ、何か言ってよ…。
「ユイ、フレイム。薄情な人達は置いといてあっちで美味しいスィーツ?でも食べようか。」
「ん。行く。」
「グギャ(やった)」
ユイの手を引き、フレイムを肩に乗せて歩き出そうとすると…、
「ごめん、悪かったってヴェル。」
「ヴェル様、ごめんなさい。」
「ヴェル様。申し訳ありませんでしたわ。」
「ごめんね、ヴェル君。」
素直に謝ってきているが、腑に落ちない。
「君達、ただスィーツ?が食べたくて謝ってるんじゃないの?」
「ソンナコトナイヨ。」
「ソウデス。」
「アリエマセンワ。」
「チガウヨ。」
「おいっ!声が上擦っているぞ!」
こいつら…、それが目当てか…。
「この際、アレクは置いといてシルヴィ、エマ、カナ…どんな風に寂しかったのかな?是非、聞かせてほしいな。」
意地悪な質問をぶつけてみた。
「それは、ヴェル様が傍にいないと寂しくて夜も眠れません。」
「そうですわ。ヴェル様のいない日常は胸が張り裂けそうですわ。」
「ヴェル君の傍は僕の定位置だよ。」
ほおほお…。寂しくて寝れないと?ぐへへへ、じゃ、おじちゃんと一緒に寝るかい?
「へぇ~。そんなに寂しかったんだ。じゃ、これから毎日一緒に寝る?」
更に意地悪な質問を投げかけた。
「そっ、それはヴェル様さえよければ…、その…。」
「恥ずかしいですわね。」
「それいいね。」
シルヴィは顔を赤らめて言っているが、最後の方は何を言っているのか聞き取りにくい。
エマは恥ずかしそうにもじもじし出して目を逸らすが、時折『チラッ、チラッ』と視線を向けてくる。
カナは堂々と一緒に寝たいと言っている。
うん!一緒に寝よう!早く一緒に寝よう!さ、行こうと興奮する。落ち着け、俺…。ここでがっついちゃだめだ。ジョニー、お前の出番はまだ早い。もっと大人な考えで行くんだ。紳士として行動するんだ。
「仕方がないな~。おいで君達。」
「はい、ヴェル様。」
「ええ、ヴェル様。」
「うん。」
3人は恥ずかしいのかユイばりに『トテテ』と可愛らしく小走りにやってくる。
ほんと、可愛いな。食べちゃうぞ~と思っていると…。
「あの、ヴェル?僕は?」
アレクを仲間外れにするのは可愛そうだと思った。だから、地面に唾を吐いてやった。
「それは、ないんじゃないか?ヴェル。」
「仕方がないなあ、アレクも行こう。」
「ありがとう。」
こうして、いつものやり取りを交わしてお茶会を始めるのであった。
翌日、俺はモンシア伯爵の幕舎に訪れた。
要件は一つしかない。溜まりに溜まったストレスを休みを貰って発散するためだった。
モンシア伯爵は軍の会議中だったが、こっちはそれどころではない。このままでは、いずれストレスが爆発して周囲に迷惑が掛かるからだ。
けたたましい勢いでモンシア伯爵に詰め寄って、誠心誠意、熱意を持って頼み込んだら了承を貰えた。だから、ここは俺のストレス発散の為にある方々に協力を頼む事にした。
「それでお話とはなんでしょうか?ヴェル様。」
「ヴェル様。大切な話とは何ですの?」
「どうしたの?ヴェル君。」
「お兄ちゃん、何?」
そう…。シルヴィ、エマ、カナ、ユイだ…。
「あのですね…、最近と言ってもここ1、2年前からなのですが、ずっとね護衛とか魔法の指導とか戦ったりとかして来たじゃない?それでね、ストレスの方がもう限界な訳なのですよ。それでね、皆に協力してもらって、このストレスを何とか発散したいわけなのですよ。」
どうやって納得して協力してもらうかが問題で…。言い訳がましく説明していると長くなっちゃったよ。
「えっと、私達はどうしたらいいのですか?」
シルヴィの質問はごもっともです。だから、ここは正攻法で攻めようと思います。
「えっとね、まずはシルヴィはこれ、エマはこれ、カナはこれ、ユイはこれに着替えて欲しいのですよ。」
説明と同時に光の速さで魔法の袋からある物を取り出した。
シルヴィに差し出した物は…、
スカート丈の短いピンクのコスプレナースだ。屈託のない笑顔を持つ天使のシルヴィに良く似合う筈だ。
エマに差し出した物は…、
スカート丈の短めな青のチャイナドレスだ。いつも上品なエマに、スリットの入ったチャイナドレスが見事にマッチして上品な色香を出すだろう。
カナに差し出した物は…、
黒のミニスカメイドだ。もし、これを着た元気一杯なカナが目の前にいたなら、主人として手を出さずにはいられないだろう。
ユイに差し出した物は…、
魔法少女だ。いや、言いたい事は分かる。ユイは魔法使いだ。そして、まだ処女…コホン、少女だ。普通じゃん?って言うかもしれない。だが、これは違うのだ。
これは、前世の記憶から俺が作り出したアニメによく出て来そうな魔法少女なのだ。ユイにはぴったりだ。正に、愛でるに相応しい服装なのだ。
「え?これを着るんですか?」
「これなのですか?」
「ヴェル君…。」
「着る~。」
ユイ以外は俺を蔑む目で見てきた。視線が痛い。だが、俺は負けない。男の子だもん。ここで引いては男が廃ると思った。だからこそ、伝家の宝刀を使う事にした。
「よろしくお願いします!」
土下座した。
地面に穴が開く勢いで土下座した。だって、嫌がるかもしれない女性に頼み込み事をするにはこれしか方法がなかったからだ。俺には戦う武器がなかったからだ。
「いくらヴェル様の頼みでもこれは…。」
「そうですわ…、ヴェル様。」
「ヴェル君…。」
否定的な3人だった。だから、俺は最後の手段を用いた。
「よろしくお願いします!」
土下座した。
さっきよりも勢いよく。何度も土下座したさ。あんまりにも土下座をする物だから、渋々了承を得る事に成功した。やったよ…父様。
「これでよろしいですか?ヴェル様。」
「何か恥ずかしいですわね…。」
「スカート短くない?」
「お兄ちゃん、これでいい?」
「いい!凄くいい!まじ天使達だ!」
シルヴィ、エマ、カナ、ユイのコスプレを目の当たりにした俺は思わず平伏した。
だって、そうだろう?
いつも屈託のない笑顔のシルヴィが、今はスカートの裾掴んで必死に下着が見えないように引っ張りながら顔を薔薇色に染めている。そして何より、一国の王女が弾力のある柔らかそうな胸をピンクのナース服で包んでいるんだ。
いつも優しい笑顔を向けてくれるエマがスリットの入ったところから覗かせる太過ぎず、細すぎずの理想のムチムチ感のある御足。そして豊かに育ったであろう双丘の大きな胸が、チャイナ服を押し上げんばかりにその存在を主張している。
いつも元気一杯な笑顔をくれるカナが、ぴょんぴょん動き回ったらさぞかし心躍るであろうその姿。少し頬を朱に染めながら『テヘッ、失敗しちゃった。』とか言いながら舌を出す姿を想像しただけでご飯三杯はいける!
そして、いつも可愛いユイが身に纏う魔法少女マジカルユイは正に守ってあげたくなる天使だった。スカート丈の短い姿で走り廻ると見えちゃうんじゃないかと心がはらはらしちゃう。
「さすが俺の可愛い愛すべき天使達だ。俺が愛する者達を想って作り上げた服を、よくぞここまで着こなしてくれた事に感謝する。」
「え?これってヴェル様が作ったんですか?」
「そうなのですか?知りませんでしたわ。」
「ヴェル君、器用だね。」
「お兄ちゃん、嬉しい。」
うん、苦労した甲斐があったよ…。俺が作ったと知って、何度も愛すべきと言ったら顔を赤くして照れている様子だった。
ちょろいな。
「その服を君達に贈るよ。」
「ありがとうございます。ヴェル様。」
「ありがとう御座いますわ。ヴェル様。」
「ヴェル君。ありがとう。」
「お兄ちゃん、ありがとう。」
何とか気に入ってくれた事で次の段階に入ろうと思う。そう、演技指導だ!演技指導なのだ!これ、重要だから2回言いました。
「しかし、まだ足りない…。」
「何がです?」
「どう言う事でしょう?」
「何?」
「ん?」
「それはね…、その服には役割があるのだよ…。」
そう、その服にはそれぞれ役割があるのだ…。
「「「役割?」」」
「うん、今から説明するね…。」
そして役割から演技指導まで、事細かに説明した。すると、3人は『変態』と口を揃えて答えてくれた。ありがとうございます。ご褒美として受け取っておきます。
当初、恥ずかしがっていたが、俺の演技指導のお陰か今では役に成りきってくれている。正直、やっちゃった感はあるけど感無量だ。
俺は今、美少女4人組にあれやこれやと奉仕されている。『ハーレムだ!俺はハーレム王になる!』とどこぞの海○王を目指しているル○ィー張りに大声をだした。
すると、シルヴィ、エマ、カナは3人は揃って、『変態』とお叱りを受ける事になったのだが、それはご愛敬だ。
チャイナ姿のエマに膝枕をして貰いつつ、ナース姿のシルヴィに看病されつつ、ミニスカメイド姿のカナリエに奉仕され、ユイはシルヴィやエマ、カナに懐いて動き回っている。自然と笑みが零れ、妙にあそこがむずむずする。
それもその筈、4人が動く度にスカートの中の素晴らしい光景が目に入る。それは、絶景だった。世界広しと言えど、これ程の絶景などあるのだろうか?答えは、否だ!
ピンクのナースに身を包むシルヴィは白…、ピンクによくマッチして二重丸をあげる。
青のチャイナドレスを身に纏うエマは赤だった。これはどうなの?と思ったがチャイナ服を脱ぐエマの姿を想像すると目を楽しませてくれる色鮮やかさだ。
カナの黒のメイド姿に白と青の共演…、これには逆らえない程の権力を持っていた。今日は白青バージョンか…。
そしてユイのふりふりが所々に飾り付けられたピンクの魔法少女姿に白の綿パンツ。犯罪が頭をチラつくが、ここはアルネイ王国、日本じゃないからよしとした。
その光景を、俺はすかさず魔法で脳内ハードディスクに保存した。勿論、お馴染みの高画質デジタルハビジョンでだ。
後で楽しむ為に…。え?どう楽しむのかって?それは内緒だ。健全なる男子諸君なら分かるはずだ!と誰に話しているのか不明だが、俺は幸せオーラ全開だった。これで俺はあと10年は戦えると、どこぞの壺が大好きな大佐ばりに呟いた。
最高な一日を過ごした、ヴェルナルドであった。
その後、アレクが訪ねてきて、シルヴィ達は茹蛸のように顔を真っ赤にした。
アレクはと言うと…『いい身分だな』と言葉を残して、その場を立ち去って行った。そして、アレクに見られた事で我に返ったシルヴィ、エマ、カナに3時間にも渡るお叱りを受ける事になった。