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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
12章 求むるは癒しの道具
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夜雀の屋台

確かにそこに屋台はあった。

屋台を見て、『幻想郷縁起』の内容をようやく思い出した。


「夜雀の屋台、ですね」

「ん、知っていたのか」

「暇な時に、幻想郷縁起で次にどこに行こうか調べたりしてたんで」

「なるほど。…おーい、ミスティア」

「はーい、って虚空さんお久しぶりですね」

「まだ準備中だったか?」

「はい…でも、昨日仕込んだやつもありますからそれなら」


腰掛けつつ、調理の様子を見る。


「…あれ、確か…」

「八雲黄です」

「ああ、あなたがそうだったの…なんで虚空さんと一緒なの?」

「妹紅さんに道案内を頼もうとしたら居なくて…ちょうど虚空さんが居たんです」

「あー…朝からずっと戦ってるみたいだよ…それでびっくりして起きたんだから」

「あいつら…他の住人に迷惑はかけんようにと言ってるのに…」


…いつもなのか。虚空さんが頭を抱えている。


「道案内…って事は、ここでは食べていかないんですね?」

「ん、そうだな…持ち帰りで。蒲焼を…そうだな、五本もらおうか」

「はーい、じゃあ少しだけ待っててね」


屋台の主ーーミスティアさんが、焼けた角で炙るような形で蒲焼を焼いていく。いい匂いが漂い始めた。


「…そういや、リグルは今日は手伝いに来てないんだな」

「あー…今日は別の用事があるって言ってましたから」

「そうなのか」


いつの間にか目の前にはお茶が並べられていた。啜りながら、二人の会話を聞く。


「最近の調子はどうだ?」

「んー、ぼちぼちって感じですねー。常連さんはいつも来てくれますし、それについて来る人がまた来てくれたり…ふふ」

「ま、半数以上はミスティア目当てなんだろうな」

「またまたー、そんなー」


…謙遜はしているけど、たぶん当たっていると思う。飲食店に行く目当てっていうのは…そういう理由だって事も多いだろうからなぁ。


「はい、できましたよー。代金は…いつものでお願いしますね」

「ああ…はいよ」

「え、林檎?」

「はい、虚空さんの林檎ってすごく美味しいし…私は人里まで買いに行けませんから」

「あー…そっか」

「ふふ…二人とも、また来てくださいね」

「ああ」

「わかりました、ではまた…」


…あ、虚空さんに払わせてしまった。いいのかな?

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