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自らの異質を受け止める
「…え、ちょっと待ってください。霊力も魔力も妖力も無い?…違う力?」
「異質ではあるのだが…なぜか安心できるような力だ。…私にもよく分からないし、恐らく紫様も…その力について調べているのだろう」
…異質な力、か。それに惹かれた…つまり、物珍しさでここに連れてこられたって訳か。
「…うん、まぁ…森の中を一人で彷徨うよりはずっとマシなんだから、文句は言えないですよねー…」
「…そうひがまないで。鍛えれば一気に化ける可能性だってあるんだから」
また撫でられた。…なんだか、安心できるなぁ。
「夕食時になったら、呼ぶから…さっきの部屋に来てくれるか?それまでは…そうだな、軽く飛ぶ練習でもしておくといい」
…うん?飛ぶ?跳躍でなく、飛翔?