冥界にお呼ばれ
冥界、白玉楼。
紫様の友人である西行寺幽々子が管理しているその場所に、僕は居た。
「すいません、運ぶの手伝ってもらって…」
「いえいえ、このくらいは。一緒に食事をさせてもらう身ですから」
この白玉楼の庭師兼幽々子さんの剣術指南役である、魂魄妖夢と一緒に食事を運んでいた。
一皿一皿が、やたらと大きいのだが…これで一食分らしい…僕が食べるとしても、一日三食食べても残りそうな量なのだが。
「ほほほ、また沢山食べるようですなぁ」
「すまんね、皆にも手伝ってもらってさ」
「ん、別にいいよー。あ、クーちゃん傾いてるよ」
「…バランス、とりづらい」
フラーウムとメラン、僕は難なく運べているし、妖夢さんは慣れた様子で二皿運んでいる。しかし、クーは慣れていないのでフラフラとしている。
「…仕方ないな、ほれ」
覚えたての重力魔法を、クーが持つ皿にかけてやり、軽くする。
「…ありがと、主様」
「ん、いいよ別に」
僕が紅魔館から帰って一週間ほどたった頃、紫様が僕たちを呼び出した。
「今から幽々子の所に行くわよ」
「幽々子さん…って、白玉楼ですか?」
「ええ。幽々子が皆で食事がしたいみたいだから、ちょっと連れて行こうと思ってね」
「なるほど…わかりました。何か準備は?」
「ん、もう藍を向かわせているし…するのは食事の準備くらいかしら。…あと、心配はいらないと思うけど、食べ過ぎないように」
「…ん、食後にも何かあるんですか?」
「…幽々子から聞いたんだけど、妖夢と手合わせをするんでしょ?」
「あー…そんな約束もしましたね…わかりました」
鈴奈庵で借りた、近接武器の辞書とも言える本を机に置き、すぐに導師服に着替える。
ちなみに、屋敷にいる時は紫様が用意してくれた「ジャージ」という動きやすい服を着ていたりする。外の世界の運動服、だそうだ。
「…んー、主様…お出かけですか…?」
「うん、クーも連れて行くからね。美味しい物が出るみたいだから」
「…やった」
…藍様の気持ちが最近わかるようになってきたかもしれない。




