和解すると甘々
フランに続いて部屋を出て、図書館へと向かうと…メランとパチュリーさん、小悪魔が水晶玉を囲んで何かしていた。
水晶玉には…あれ、フランちゃんが映ってる?
「話はもう終わったんですか?」
「ええ、少し前に。それで、あなた達が遊んでいる状況を眺めていたんだけど…案の定、レミィがやらかしてたわね」
「えー…というか、やっぱり…」
「…ええ、いつもああなるのよ。いつもなら翌日に私が仲裁することになるんだけど…あなた達が介入したことで、仲直りは早まりそうね」
フランの姿は、レミリアさんの部屋の前…いや、部屋の更に奥の扉の前だな。
「レミィの寝室はあそこなのよ」
「…うーん、女性の寝室を覗くのは…」
「いいのよ。ほのぼのした光景にしかならないはずだし。…音声も拾うようにして、と…メラン、ありがとうね」
「ほほほ、この程度なら造作もございませんので」
「あ、メランがやったのかこの水晶玉やら」
「まぁ、メランの魔法が無くても音声無しなら映せたのだけれどね」
『…お姉様、まだ起きてる?』
数分ほど悩んで、フランちゃんはドアをノックした。
ゆっくりと、ほんの隙間程度にドアが開く。
『…何よ、もう私は眠りたいのだけれど』
『あ、あのね…お姉様の部屋で、一緒に眠りたいなって…』
『……』
『…や、やっぱりダメだよね…ぐすっ』
しゃくりあげている。この角度からではレミリアさんの表情しか見えないが、おそらく…
『…泣かないで。ほら、入りなさい』
『うん…』
水晶玉に映る景色が変化し、部屋の内側からフランちゃんが入ってくる様子が映る。
「なぁ、どうやって設置したんだこれ…」
「ほほほ、見取り図とパチュリー様の設置していた魔法からの景色さえあればすぐに」
「えー…」
『ほら、顔を拭きなさい。ぐしゃぐしゃでみっともないわよ』
『…ごめんなさい、お姉様』
『いいのよ。…悪いのは、私の方だし』
レミリアさんが、フランちゃんをぎゅっと抱きしめている。
『お姉様ぁ…』
『…ふふ、もう…また泣いてるし。…ほら、お布団に入るわよ』
『うん…』
布団に入った二人は、しばし無言で寝転んでいた。
『…お姉様、その…』
『…ん、もっとくっつきたいんでしょ…』
『…えへへ、ありがと』
今度はフランちゃんがレミリアさんを抱きしめていて、レミリアさんは頭を優しく撫でている。
『…ふぁぁ…』
『…お姉様、疲れたの?』
『そんな所ね…今日はぐっすり眠れそうだわ』
『私も、お姉様が隣にいるから…』
「わー、甘々空間だなぁ…」
「毎回、仲直りの度に目の前でこれを見せつけられるのよ。砂糖を吐きそうだわ」
「…まぁ、いいじゃないですか。二人の仲がいいのなら」
部屋を眺める魔法を切り、パチュリーさんはこちらを向いた。
「さて、黄。まだ時間は大丈夫かしら」
「大丈夫ですよ」
「眠気は?」
「それも、大丈夫です」
「なら、今から闇の精霊魔法について勉強よ。いいわね?」
「ええ。どうやら色々と多岐に渡る用途がありそうですからね」
昨日更新忘れてた…ゲームやってるとなぁ…忘れるんだよなぁ…




