本当は甘えたい妹様
「いち、にい、さん…はい、また私の勝ちね」
「お姉様、やっぱり能力使ってるでしょー!」
僕、クー、フラーウム、咲夜さん、レミリアさん、フランちゃん。
夜明け前の紅魔館の地下室で遊んでいたのだが…レミリアさんがゲームをしたくないと言った理由が分かった気がした。
どうやら負けず嫌いな性格が、無意識に能力を使わせてしまうらしい。
「い、いや…使った覚えはないのよ?」
「じゃあなんで【どのゲームをしてもお姉様が一番になっちゃう】の!?」
そう、何をしてもレミリアさんが一番になるのだった。
ババ抜きだったり、双六だったり…運が関わるゲームだとこうなってしまうようだ。ちなみに二番以下は毎回違った。
咲夜さんも、やれやれといった表情を浮かべてこちらを見ていた。
「な、なんでかしらねぇ…」
「…もう、お姉様とは遊ばないから!」
「…いいわよ、私だってフランとは遊ばないから!」
「あ、お嬢様!?…すいません、お嬢様を追いますので…」
レミリアさんは逆ギレに近い形で言葉を吐き、部屋を出ていった。咲夜さんも、それに続く。
「………」
「…フランちゃん、まぁ…なんとなく理由も分かるけど…」
「……私と、オセロやろ…?」
「…うん、やる…」
クーが机に置いてあったオセロセットを持ってきていた。クーなりになだめようとしているんだろうな。
ちなみにチェスもあったが、これにはフランちゃんがあまりいい思い出が無いらしく、埃を被ったまま放置してあった。
「……私が、先攻ね」
「うん、いいよ」
しばらく、クー達の対局を眺める。
その間は、僕たちは無言だった。
…不意に、フランちゃんの口から言葉が漏れる。
「…私だって、わかってるんだよ…お姉様が大変なのは」
「…うん」
「でも、たまには…甘えたりしたいから、遊ぼうって誘うの。でもね…お姉様が負けず嫌いだから、あんな風になって…喧嘩しちゃって…」
「…そっか」
「前に喧嘩した時は紅魔館が半分くらい壊れて、咲夜にすごい怒られたんだ。すごかったんだよー…」
「へぇ…そうなのか。怒る姿はあまり想像できないけどな」
「その時は、パチュリーにも怪我させて、他にも…」
「…あぁ、そっか。皆を巻き込んだからか」
「…うん。…ねぇ、私とお姉様が嫌な思いをしないでさ…仲良くなれる方法って、ないかな…」
「…うーん、喧嘩したりしてるならあり方としては正しいと言えなくも無いけど…」
「…フランちゃん。フランちゃんは、寝るとき…ここで寝るの?」
「うん、そうだけど…」
「…レミリアさんは?」
「自分の部屋だけど…」
「…私が主様に甘えたい時はね。…一緒のお布団で眠るんだ。私がお布団に潜って…主様は撫でてくれて」
「へー…」
「…フランちゃんもやってみたら?」
…ふむ、これは…僕が方法を思いつかないうちに、クーが自分の経験から思いついたようだ。…こっちをチラチラ見て、顔を赤くしてるのは、恥ずかしいからなんだろうなぁ。
「…で、でも…怒らせちゃったし…」
「…ふふ、大丈夫。ちゃんと謝れば許してくれるよ…」




