μελαν
紅魔館の地下、フランドールのために造られた地下室には…信じられない光景があった。
「むー、また負けたー!」
「ほほほ、まだやりますかな?」
「…やるー!勝つまでやるもん!」
「…咲夜、あの人に見覚えは?」
「…いえ、無いです」
白髪をきっちりとセットした、執事服の老人が…フランドールとオセロで遊んでいた。
フランドールは悔しそうにして、もう一回もう一回とわめいている。
「…えー、なんだこれ…」
「…あ、あれ…?あのおじいさん、もしかして…おーい!」
フラーウムが近づき、何かを確かめ…
「あー!やっぱりだ!」
「…こんな形で見つかるとはなぁ。…見つけるためにあの化け物と戦わないといかんのかって思ってたけど」
やはり、フラーウムと一緒にいた精霊らしい。しかし、魔力がフラーウムほどダダ漏れになっていない…?
「おや、君は…こんな所で再会するとはのう」
「それはこっちの台詞だよ、メラン!」
メラン、と呼ばれた執事服の老人は、こちらに気づき…深々とお辞儀をした。
「あー、えっと…」
「これはこれは…初めまして。…おや、君がフラーウムの主人となっているのですか」
「あ、ああ…そうです。八雲黄です」
「ほほほ。儂はメラン。こう見えても闇の精霊でのう。フラーウムと一緒に育ったのじゃ」
同じように育てられたとしても、ここまで見た目が変化するものなのか?
…レミリアさん達は、口をぽかーんと開けたまま硬直している。
「…えーと、メラン。フラーウムと同じなら、球に封じられていたはずだが…」
「…おぉ、それならそこのお嬢ちゃんが壊してくれたぞ?」
「…フラン、どういうこと?」
レミリアさんが、フランドールに詰め寄る。
「おもちゃ箱に、見たことない球が入ってたんだ。投げたりしても壊れないから面白いと思って…キュッとしても壊れないかなってやったらあの人が出てきたの」
能力で無理やり壊したのか!?
「そ、その球はどこに?」
「あそこにあるよー」
指差した方向には、確かに球が砕けた状態で放置されていた。
「とりあえず欠片を採取して…残りは黄に預けるわ」
パチュリーさんから、球の残骸を手渡され…っ!?
「ぐっ…!?」
「え?吸収された!?」
手のひらがチクっと痛んだと思ったら、欠片が吸収されていき…
「…あれ、力の容量が増えた…?」
「…確かに増えているわね。…ってこっちのもなくなってるし!あぁ…新しい研究材料が来たと思ったのに…」
明らかに落ち込むパチュリーさんだった。
…でも、フラーウムを出した時に球が消えたのは、僕の力に変換されていたからか…ということは、球も僕の力の一部と考えていいのだろうか。
「…まぁいいわ。とりあえず…あっちに話を聞くとしましょう」




