魔力感知では探せない
図書館へと戻り、紅茶を飲みながら本を読む。
とはいっても、文字が解読できないので絵で判断するだけだが。
「…うーん、確かに自分の体に直接精霊を取り込むっていうのはなさそうですね…」
「それだけ危険なのよ、その方法は。…おそらく、貴方でないと無理だと思うわ」
パチュリーさんは、小人サイズになったフラーウムを撫でながら言った。…というか、すごい懐いてるなぁ。
「んー、このお姉さん、いろんな精霊の匂いがするんだよねー…」
「え、精霊の匂い?」
「うん、匂いっていうか…魔力って言った方がいいのかなぁ」
確かパチュリーさんは七種の精霊魔法を操るはずだ。
「精霊同士は魔力を感じ取れるっていうのもあったわね…貴方が探すべき、フラーウムと一緒にいた精霊…おそらく、精霊王クラスになりそうなのが恐ろしいけれど」
「はは…あ、そうだ。フラーウム、他にいた精霊達の匂いは…」
「うーん…覚えてない、というか…」
「…ああ、そうか。あの玉に封じられてたんだよな」
「その中で産まれ、成長させたっていう玉ね…今ここに無いっていうのが悔やまれるわ」
フラーウムを出した時にいつの間にかなくなってたんだよね。
「パチュリーさん、今この場に精霊が封じられたそれがあったとして、玉を消すことなく精霊だけを取り出す事は出来そうですか?」
「…難しいかもしれないわね。かなりの技術が使われていそうだし…砕いた後に欠片なら保存できるかもしれないけれど」
なるほど…次はここに持ってきてから取り出すようにしよう。
「……ん、そういえば今日はフランが出てこないわね」
「私が様子を見てきましょうか?」
「…咲夜はここに居て。私が直接見に行ってくるから」
確か、レミリアさんには妹が居たんだったな。
「フランドール・スカーレット…ありとあらゆるものを破壊する程度の能力、か」
「咲夜、パチェ、ちょっと!」
様子を見に行ったレミリアさんが慌てた様子で、図書館に入ってきた。
「どうしたのよ、何かあったの?」
「フランが、フランが…見たことない爺さんと遊んでるのよ!」
「!?」
「しかもなんか、魔力がとんでもなくて…」
…まさか、なぁ。




