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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
8章 人里から、別の場所へと
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弁解くらいさせてほしかった

「…うぅ、まだ痛む…」

「主様、大丈夫?」

「うん、でも…こういう痛みだと回復は発動しないのな…」


クーが額をさすってくれている。

で、この痛みをくれた相手は…


「ほんっとうに申し訳ない!まさかずっと気を失っていたとは…」

「あー、いいんです…意識が回復してからも何日か顔を見せなかったのは事実ですから…だからそれ、やめてください…」


机の向かい側で綺麗な土下座を披露してた。


「心配させちゃったのは本当に悪いと思ってますし…」

「…うぅ、すまない…また早とちりをしてしまって…」

「だから、土下座をやめてくださいよ…」

「…わ、わかった…」


ああ、やっと普通に座ってくれたよ。…いろんな意味で頭が固いみたいだ。


「それで、用事とは…?」

「ああ、そうだったな…これを渡しておこうと思って。人里の脅威を退けてくれた報酬だ」


小さめの袋を渡された。中からは金属の音がする。


「人里で使われている通貨だ。少ないかもしれないが…」

「いえいえ…というか、あのままにしてたらいろんな意味で危なかったと思いますから」

「…そうだな、確かに…君が遭遇した異形の獣、気になるな。…阿求殿の所にも確かめに行ったのだが、過去の幻想郷縁起にも記されていなかった」

「…あれ、たぶん僕にしか処理できないんです」


僕が持つ武器で喰い、閉じ込めて浄化する。おそらくそれしか手はなさそうだし…


「なるほど…」

「だから、遠くからの足止めならいいんですけど、絶対に近づいたりはしないでください。近づく前に瘴気でやられます」

「わかった、自警団の者にも伝えておこう。…幻想郷内全てに知らせた方がいいか?」

「あぁ、そのあたりは紫様達が伝えるみたいなんで」

「ふむ、そうだったのか…ところで、その隣の子は式神…なのか?」

「ああ、はい。あのボス狼ですよ」

「クーです。…よろしく」


クーが小さくお辞儀をすると、慧音さんは驚いた顔になっていた。


「…面影が全然…いや、毛並みは確かにそうだな…」

「…えへへ、褒められた」

「良かったな」

「ねー、僕の事も忘れないでねー!」

「っと、そうだったな。こっちは…現場で見つけた妖精のフラーウム。…懐かれてしまって」

「…なかなかに規格外な状態になってるな」

「そうですねー…」


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