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箱庭
風呂から上がると、服が用意されていた。
…下着まで準備してたのか。藍さん、恥ずかしくなかったかな。
「ん、上がったのね。ふふ、似合ってるわよ」
「そりゃどうも」
「あら、その腕輪外れなかったの?」
「ええ、どうにも外れないんです。そのまま抜こうにも、手首にしっかりくっついてて無理でしたし…」
「なかなか頑丈な素材みたいね。叩き割ってもいいんだけど、コウの手首ごと砕くことになるけど」
「それは勘弁してほしいですね…」
苦笑いで答える。なかなかに怖い事を言うなぁ。
「ま、それは冗談よ。そこまで大きい物では無いし…そのままにしておいていいんじゃない?」
「…そうですね。ところで…」
「ん、何かしら?」
「えーと…ここ、幻想郷って言いましたよね。幻想郷について教えてほしい事が」
「…ええ、教えてあげる。この幻想郷は忘れられたモノが来る楽園。私と、博麗の巫女が管理する結界によって守られた箱庭よ」