お出かけ前の和み時
「藍、そんなに膨れないでもいいじゃないのよー」
「…もう尻尾は貸しませんかひゃっ!?」
「そんなこと言わないでよ…藍の弱いところは全部知ってるんだからね…」
「あっ、紫、さま…ダメです、黄が見て…」
「いいじゃない、見せつけておけば」
朝食後、お茶を飲んで…橙が連れてきた子猫を膝に乗っけていたら、藍様が嬌声をあげてた。
紫様が、服の中に手を突っ込んでもぞもぞしてる。
「…こ、黄、助け…ひゃうん!」
「ふふ、藍はここが弱いのよねー…」
「…お二人とも、橙に言いつけますよ。『橙がお使いに行ってる間、紫様と藍様が遊びに行ってた』って」
「「それだけは勘弁して!」」
藍様も、紫様も…橙には甘々だ。
藍様はともかく、紫様は橙の前では厳しいように見せておいて、意外と心配してたりして可愛かったりする。
「まったく…ん、行ってきなー」
ゴロゴロしていた猫が伸びをして、草むらへと走っていった。
「…さてと、黄。そろそろ神社以外にも行ってみましょうか」
「そうですね。…僕一人で大丈夫ですよね」
「ん…そうね。一応見ておくようにはするけど。とりあえず、まずは人里からね」
パカッと空間が開き、目玉空間が中身を見せる。
「それぞれの勢力が住む場所へ行くなら、人里でいろいろ聞いてみなさいな。あまり手助けはしないつもりだから」
「了解です。では…行ってきます」
迷いなく、スキマへと飛び込む。
さて、幻想郷を自分の目で確かめてみよう。




