表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方黄明譚  作者: k.Yakumo
1章 狭間の屋敷
4/319

自らの謎を知る

奥に通され、座らされる。


「…そんなに珍しいかしら、この部屋が」

「見たことが無いものばかりで…」

「あら、そうなの?…おかしいわね」


紫さんが何か呟いた気がするけど、詮索するのはやめておこう。


「紫様、お茶をお持ちしました。…?彼は?」

「ああ、彼は…貴方の名前を聞いていなかったわね。…まさか、自分の名前すら覚えていないなんてことは」

「…そのまさか、だったりするんですよね、あはは…」

「えー…」


もふもふとした尻尾を何本もくっつけている女性は、呆れたような顔をしていた。

覚えていないものは覚えていないんだから、仕方ないじゃないか。


「困ったわね、呼びにくいわ。…手がかりになりそうなのは、その服と…腕輪くらいかしら。ちょっと見せて」


手を掴まれ、ドキッとする。紫さんの手袋越しに、温もりが伝わってくる。


「……」

「…バーコード?それに…『被験者ナンバー001』?…何かの実験台、だったのかしら」


何かの実験台?…覚えが無い。


「あ、ここ見て。『kou』って書いてある」

「本当ですね…名前、なのかな?」

「或いはコードネームみたいなものかもしれないわね。ま、とりあえず貴方の事はコウ、と呼ぶわ」

「…ええ、お願いします」

「それと…一度お風呂に入っちゃいなさいな。その状態だとみっともないわ」


確かに、顔だけは川で洗ったが…服は泥で汚れているし…。あれ、でも服はどうしたらいいんだろうか。替えの服なんて持ってないけど。


「藍、ちょっと人里まで行って服を調達してきなさい。夕餉の買い物のついででいいから」

「わかりました。それではすぐに行ってきます」


…心配はなさそうだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ