宴会スタート
不意に、ふわりといい匂いがした。
「…ん、んっ…?」
「…ふふ、目が覚めたみたいね」
紫様の顔がやたらと近い所にあった。
というか…これ、膝枕されてるのか…。
「もうちょっとしたら宴会を始めるから、起こそうと思っていたんだけどね」
「…はは、結構寝ちゃってたみたいですね」
「呑気にぐっすりだったわよ?」
「…すいません」
「謝る必要はないわよ」
とりあえず身体を起こして、伸びをする。
「床に寝てて、身体は痛くなかった?」
「はい、大丈夫ですよ。…結構、人が来ているんですね」
「まぁ、大半が妖怪だけれどね」
会場となっている方へ歩くと、次第にざわざわとした声が大きく聞こえるようになってくる。
「お、ねぼすけな主賓がやっと来たなー!」
「これでやっと始められるな!」
萃香と、魔理沙がヤジを飛ばしてくるけど…不思議と暖かいな。
「…皆、準備は万端よ。後は、あなたの号令を待つだけ」
お立ち台のようになっている場所で、紫様が背中を押す。
「…あー、どうも。先日こちらに来た…八雲黄です。皆さん集まって貰ってありがとうございます」
「元気がないぞー!」
「早く早く!」
「…ふふ、分かりましたよ。詳しい自己紹介はそれぞれ回ってやりますから。…では、宴会を始めましょう!乾杯!」
かんぱーい!!
博麗神社の境内に、皆の声が響いた。




