大酒飲みの鬼と
幽々子さんと紫様の言い合いから離れて、縁側に座っていると…妙な匂いがした。…お酒か?
「うーん…?見ない顔だね。あんた誰?」
「…八雲黄です。君は…?」
見た所子供にしか見えないくらい背が低いけど、長めの角が二本生えている。
「えーと…伊吹萃香さん、でいいのかな?」
「お、私の事知ってたの?」
「あー…紫様から話を少し聞いてたんで」
「ふーん、なるほどね…ま、よろしくね〜」
どっかりと隣に座った。…うぅ、お酒くさい。
「んー?お酒飲んでないのか?」
「宴会が始まるのはまだまだ後なんじゃないですか?」
「あー、そっかそっか」
瓢箪から、グビグビと直接飲んでいる。
紫様からは、「あのお酒は強烈だから、なるべく飲まないように」と言われていた。
「…ん、お酒の味…気になる?」
「…宴会の終わりくらいになったらもらいます。相当強いって聞いてたんで…最初から潰れてしまうのもどうかと思うんで」
「…ふふ、なかなか遠回しに断るじゃないか。まぁ、今日の主賓みたいだから宴会前から潰れちゃうのも困るからねー」
ちなみに、紫様の屋敷では晩酌をたまにしていて…僕も練習だと言われて飲まされた。…お酒はあまり飲めない事は既に自分でわかっている。
「それじゃ、私はもっと幻想郷の皆を萃めるとするかなー。じゃあねー」
霧のように消えてしまった。彼女の能力の一部らしい。
「…うーん、手伝ったら怒られるし…昼寝でもしておこうかな…」
横になり、目を閉じる。
意外と疲労は蓄積されていたようで、すぐに眠りの世界に落ちた。




