迷宮の目覚め、新たな異変
いつものように、幻想郷のパトロールを行っていると…
「…ん、空間が歪んできてる…!?」
『黄、聞こえる!?』
「紫様、これは…」
『以前に、迷宮が発生した時と似ているわ。おそらく…今まである迷宮などにも何らかの影響が出た可能性もある。クロウ達には私が連絡をしておくから…』
「僕はどこに向かえばいいですか?」
『妖怪の山が一番近いようね。大天狗が封印している迷宮があるはずだから、そこを調べて』
「了解です」
よし、すぐに向かおう。おそらく、山の皆もおかしい事には気づいているはずだ。
◆
「ふむ、封印ががたついていたのはそのせいであったか、なるほどのう…ところで…」
「……」
「今回は真剣な話じゃから、そういう事はせんから…出てきてくれんか?さすがに毎回隠れられると泣きそうじゃ…」
「クー、ちょっと可哀想になってきたからせめて僕の横に…」
「…仕方ない、かな…抱きつかないでね」
「わかったから…」
…よほど最初のアレが嫌だったんだろうなぁ、大天狗さんにはなかなか近づこうとしないや。
「それで、その迷宮はどこに?」
「封印を施した岩で囲んでいるぞ。他の天狗達や山の妖怪にも近づかないように言ってある。神社の参道からも遠いから、人間が入る事もないじゃろう。何かが近づけば儂にはすぐ分かるからな」
「…なるほど」
「待たせた!」
「…まさかまた迷宮に関する異変が起こるとはな」
スキマが開いて、紫様と、刀槍庵の二人が大天狗さんの屋敷に到着する。
「今回は私も迷宮に向かうわ」
「紫様も?」
「前回とどう違うのか、推し量る必要があるのよ。それに…流石に黄に頼ってばかりなのもね」
「…ならば儂も向かうとするかのう。山を管理するものがこのような事態に何も手出しをせんというのは…な?」
僕、直、クロウ、紫様、大天狗さんで迷宮の攻略、となった。
「前衛と後衛は?」
「男三人で前を行くのがいいだろ。大天狗さんは風で遠距離攻撃が可能だし、紫さんに関しては距離とか関係なさそうだからな」
「了解じゃ。では、すぐ向かおう!」
迷宮の探索へと向かう。
長い長い、スペルカードルールで解決出来ない事件がまた、幕を開けるのだった。




