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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
30章 それは新たな異変の始まりか
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拠点と林檎と猫

「さて、悠斗達の拠点もできたんだけど…」

「人里から遠くありません?」

「空き家が無くて空いてる土地に建てようってなったからねぇ。ま、隣人もいるから」

「ふふ、よろしくねぇ」

「氷の力に溢れておる…お主、いったい?」

「冬の間しか動けなかった妖怪よ、ふふ」


レティさんと妹紅が住む近くに、悠斗達の拠点は建てられた。

萃香やにとりの力も借りたので、人里で事情を知らない人が家が一軒増えてると騒いでたけど…後で慧音さんが説明してくれるだろう。…今度、何か持って行かなきゃな。


「さてと、とりあえず中を見るのは後でいいとして…どうする?」

「うーん…生活するなら人里のお店とかがどうなってるか見ておきたいです。今までは刀槍庵に直行でしたからね」

「あー、遅れた時にすごい怒られたんだっけ?」

「自分たちのスキルアップにも繋がるから、時間は無駄にできないと…」

「なるほどねぇ。…彼らは強さに貪欲だなぁ」


悠斗の、荒削りでありながらどこか洗練されたその動きに刺激されたのだろう。新しい技の開発もしているようだ。


「我も店をいろいろ見てみたいのう」

「ガーネットは食べる専門じゃないか」

「…我だって練習はしているのだ。けど…」


藍様に習っているようだが、あまり上達していないらしい。魔法の発動も大雑把だとパチュリーさんにも怒られていたな。

ガーネットいわく、


「緻密なものは我には向いておらんのじゃ…」


と愚痴っていた。クーの尻尾をもふりながら。

それでいて、悠斗と一緒に戦闘になった時は完璧にこなすのだから、わからないものなんだよね。


「よし、じゃあ僕が案内するよ。藍様と買い物したりしてるから生活に必要な買い物ができる所は知ってるし」

「お願いします」





「…あ、虚空さん」

「…む、黄か。調子はどうだ?」

「まぁまぁです」

「…異変でいろいろ大変だったようだな。…性別が変わったりとか」

「あれの発端は永琳さんなんですよね…」

「…また難儀な薬を飲まされたんだな…それで、そちらの二人は初めまして、だな。…人間とは違うようだが」

「は、初めまして。神崎悠斗です」

「ガーネットじゃ」

「…えーと、神様見習い、だそうで」

「…なるほどな…人ならざる気配はそういう事か」


虚空さんは二人の中にある神力に気づいたみたいだな。


「お主、何者なんじゃ…?」

「ただの休暇中の死神だよ」

「し、死神!?…人里に居ても大丈夫なんですか?」

「サボりに来る死神も居るからねぇ。…二人ともそういう類の管轄じゃないんですよね」

「小町は三途の川の船頭、俺は向こうで映姫様…閻魔の補佐やら雑用やらをこなすだけ。魂を刈り取る、なんて死神は居ないよ」

「そういうものなんですか…」

「そういうものだ。というか勝手にそんな事したら…」

「確実に説教コースですよね。…説教が長いことで有名なんだ」

「へぇ…」


若干苦い顔をしている悠斗とガーネットだった。会いたくはないよな、うん。

あと、会ったらガーネットが失礼な事言って説教になりそう。





店を教えつつ買い物を終えて、悠斗達の拠点へ戻る。


「うわぁ、師匠の家と寸分違わない造りになってる…」

「記憶が曖昧だったから、割とアバウトに教えたんだがなぁ…」

「鬼と河童ってすごいんだね…」


そう言いつつ、いろいろと確認を終えたようだ。


「台所の使い方は問題ないかな?」

「あ、はい。いろいろ渡ってるうちに覚える必要もありましたから」

「食材の保存は?」

「それは我が行う。…こればっかりは教え込まれたからのう」

「ああ、魔法?」


頷いて、床下収納に何か魔法をかける。…ひんやりとしてきたな。冷蔵庫のようなものか。


「これで大丈夫じゃ」

「さてと、じゃあ…僕は一旦戻るよ」

「はい、ありがとうございました」

「良い幻想郷ライフを。またね」


スキマで屋敷に戻る。…あれ、橙しか居ないな?


「橙、紫様たちは?」

「紫様と藍様なら、結界の修繕に行きましたよー」

「ん、そっか。…クーも遊びに行ってるしなぁ…」

「あ、そしたら…藍様に内緒の修行、お願いします!」

「…ふふ、いいよ」


どうやらクーだったり、他の式神に触発されて橙もやる気になっているらしい。

結局この日は、橙の修行の手伝いをして過ごす事になったのだった。

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