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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
28章 主のいない異変
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閑話 精霊について

ここでは八雲黄が使役(本人は力を貸してもらっているだけとのこと)する八体の最上位精霊について解説する。

彼らは皆、人の形をとっておりそれぞれが独立した思考を持っている。

その身に保有する魔力量は一体だけでも結界に影響を及ぼす程なのだが、本体は八雲黄の体内に宿って魔力が抑えられており、普段見かける彼らは分身なので安心して欲しい。ちなみに並の人間や魔法使いが体内に精霊を宿そうとすると下位の精霊であっても体内から魔力が溢れ出して最悪爆発するそうなので、真似はしないように。


精霊達の属性や見た目、出没地点は以下の通りである。


『小さき土の守護』フラーウム 土の精霊

西洋の童話に出てくる小人のような服装の幼い男児。子供達に人気があり、寺子屋で一緒に遊ぶ姿がよく目撃されている。

戦闘時には身の丈よりも大きな戦鎚を振り回し、敵を吹き飛ばす。出現場所は人里と太陽の畑。草木にも影響を与えるらしく、風見幽香もお気に入りのようだ。


『老獪なる闇のバトラー』メラン 闇の精霊

執事服を身に纏う初老の男性。その細身には考えられないほどの力を持ち、メイド妖精達の憧れの的である。

戦闘時には自らの身体一つで戦い、魔法を使いながら敵を翻弄、敵は知らない間に戦闘不能になるという。

出現場所は紅魔館、人里。


『清らかなる光の女神』ビヤンコ 光の精霊

白衣を纏った金髪碧眼、スタイルも良い非の打ち所がない美女。彼女の治療を受けた男性はもちろん女性でも魅力され、老人からは拝まれたりする(本人は困り顔だった)

戦闘時には魔力で生成した弓を扱う。敵に当たればその身を焼きながら貫き、味方に当たればその身を癒すという。

出現場所は永遠亭だが、鈴仙・優曇華院・イナバと一緒に人里で薬売りをしていることもある。


『妖怪の山の癒しの魔人』ジリョーヌイ 風の精霊

深い緑色のローブを着た小柄な男性…なのだがその顔は中性的で無表情、まず初見では性別は見抜けないだろう。緑色の宝石がはまった杖をいつも持っている。

戦闘時にはその杖から広範囲を攻撃する魔法を放ち、更に味方の素早さを上げたり、治療も可能。

出現場所は妖怪の山とその周辺。天狗達に人気でいつも誰かが一緒にいるらしい。


『炎の剛武人』ヴェルメリオ 火の精霊

坊主頭に赤い髭、体躯は大きく見た目はとても怖い。性格は剛毅だが、見た目が怖いので子供が近づいてくれないのを実は気にしていたりする。「服が軍人っぽい」とは元外来人の一般人の声。

主な出現場所は地底。異変時には召喚されて人里にいるのでその時に話しかけてみてもいいかもしれない。


『蒼き水流の麗人』 ミソウ 水の精霊

泡の模様が描かれた着物を着用している青髪の麗人。おっとりとした表情をいつも浮かべていて、とても可愛らしい。最近は湖底に眠っていた妖怪「翡翠」や八雲黄の式神「クー」と共に散歩をしているようだ。

戦闘時は扇子を用いて、優雅に舞うように水の魔法を使う。舞に見惚れた敵はなす術なく溺れることだろう。

出現場所は湖周辺や人里。


『氷結の細剣』 アスル・クラロ 氷の精霊

水色の長髪をなびかせる白い軍服姿の青年。その整った容姿は人里の女性陣、特に元外来人からの人気が高い。人里の何でも屋「刀槍庵」によく出没し、何でも屋の主人「直」や「クロウ」と戦闘訓練を行う姿が多く目撃されている。

戦闘時は腰に提げた細剣(レイピア)を用いて、突いた場所を凍らせて粉砕する。


『雷速の忍』 ツーレイ 雷の精霊

黒をベースにした、紫の稲光の模様が入った忍び服を着用している少年。前髪は稲妻模様に紫に染まっている。首には鎖のような物が巻かれているが、これは常に放電してしまう自らの体質から他人を守るために着用している地の力が込められている。

戦闘時は短刀を用いて、雷の速さで翻弄し、全てを狩り尽くす。

人里や、妖怪の山、天界で目撃されている。妖怪の山にいる時は天狗に稽古をつけているらしい。


…以上が精霊達の特徴である。見かけたら、積極的に話しかけてみてもいいかもしれない。





「こんなところでしょうか?」

「はい、ありがとうございます。…流石ですね、阿求さん」

「いえ、これが私の役目ですから。それにしても…黄さん、規格外ですよね」

「いつの間にかほぼすべての勢力と繋がりができてるんですよね。紅魔館はメランやミソウ、白玉楼は僕が直接で永遠亭はビヤンコ、妖怪の山や守矢神社はジリョーヌイとクーで、幽香さんのところはフラーウムが行ってたり…後は、地底はヴェル、天界はツーレイ…そういやいつの間にか屠自古さんと仲良くなっててその縁でいろいろ神子さんとも話せたな。命蓮寺の人たちはアスルが人助けしてるの見て褒めてくれてたし…ミソウはわかさぎ姫と、ビヤンコは影狼ちゃんと仲良くなってたな…」

「本当にほぼカバーしてますね…」

「僕一人じゃどうにもならなかったよ。…分身は怖くてできないからね」

「え、出来そうですけど…」

「中の精霊がどうなるか分かんないから怖くてね。今度僕が元いた世界で試そうかな…」

「なるほど…」

「後は僕自身が分身で会うのは失礼かなと思ってるからかな。精霊達の場合は分身だけど一人だけだし、仕方ないし」

「大変なんですね…それにしてもだんだん人間的に辞めてきてますね」

「フラーウムを取り込んだ時点で実は人間で居るのは諦めてたかな…でもその方が紫様と一緒にいるのが自然ですから」

「相変わらず惚気ですか…」

「仕方ないじゃない、すごい可愛いんだもん」

「はぁ、そうですか…あの八雲紫が…」

「藍様もびっくりしてたからねー」

「その八雲藍も女の子になってたじゃないですか」

「…紫様がいる手前我慢してたみたいなんだよね…最近はことあるごとに密着されて…」

「はいはい、甘い話はそのくらいで。また何かあったら教えてくださいね」

「うん、分かったよ。阿求ちゃんありがとうね」

「ふふ…」


屋敷を出て、人里を見渡す。…雪はもう殆ど残ってないな。もうすぐ春か…


次の話から第三部【幻と神の獣、世界樹の国より来たりて異変とす】に入ります…最初にちょっとオリジナルキャラを増やす予定。

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