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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
28章 主のいない異変
308/319

閑話 誰のもの?

二話同時。

「ところで…元日の宴会の時…というか、クリスマスに起こされたあたりから疑問に思っていたのだけれど」

「はい、なんですか?」

「…藍、いつの間にか黄と距離が近くなってるわよね?」


ギクリ、という擬音がピッタリな表情の変化だった。


「な、何を言ってるんですか紫様!黄と私は…その…」

「あー、えーと…紫様、近づいたのは僕の方からというか…」

「…なんですって?」


今度は紫様が青ざめ…って泣きそうな顔になってる!?


「…そう、そっか…私なんかより、藍の方がいいわよね…そうよね…」

「…違いますよ、紫様が眠っていて、その…僕も藍様も寂しかったというか…」

「…そ、そうなの?」

「そうですよ…ねえ、藍様?」

「え?あ、ああ…そうですよ、紫様」

「藍は感情がこもってない」

「きゃぁぁぁ!?」


問答無用で藍様はスキマに落とされた。…またあの罰か?


「まぁ…遅かれ早かれこうなりそうな気はしていたけど。藍、貴方が来てから少しずつ嬉しそうになってたから」

「あ、そうなんですか?…そっかぁ、藍様が…」

「…私が眠ってて藍が寂しがってるのも、知らない訳ではなかったしね」

「…だったら藍様を出してあげてください、可哀想です」

「嫌よ、私に許可なく手を出したんだもの」

「…出さないと紫様とは眠ってあげません、藍様のとこにいきます」

「ちょっ…それはずるいわよもう!」


直後に隙間から出された藍様は、それはそれは大変な事になっていた。


「…うぅ…寸前で出されるなんて…」

「うわぁ、事後より酷い」

「黄が出せって言ったんだからね?」

「…意地悪…」

「いや、なんか誤解されてるし…」





「…そう、だったのか。誤解するところだった…」

「誤解が解けたならそれはいいんですが…なんですかこの状況。幸せすぎる」


とりあえず落ち着いた藍様に事情を説明したのはいいのだが。

何故僕は紫様と藍様に挟まれてお布団に入ってるのでしょう?しかも抱きつかれて…両腕が幸せすぎる。


「私が再び冬眠に入る寸前まではこの状態で寝るからね」

「わぁ…幸せすぎる…」

「…正直だな、ふふ」

「美人二人と添い寝で幸せじゃないはずがないですから…」


そう言うと、二人とも微笑んでいた。…ああもう可愛いな…


「…では、紫様。改めて…私も、黄と…」

「…ん、いいわよ。添い寝とかはちゃんと交代でね?」

「ええ…」

「あと、私の冬眠中は存分に黄と、貴女自身を癒すこと、わかったわね?」

「…はい!」

「ふふ、それならよろしい…あら、黄?」

「幸せ過ぎて爆発するかもしれない…」

「あら、じゃあ…」

「私たちで、止めないと…ですね、ふふ」


そう言うと、二人は更に密着して…ああもう、これ以上は言えない!

明けました。


今年もよろしくお願いします。

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