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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
28章 主のいない異変
302/319

輝針城:逆さの城、天邪鬼

「…おおう、見事な逆さ城だな。だんだん高度が上がってきてる。まるで…空に向かって落ちてるみたいだな」


嵐を抜けると、そこにあったのは空に浮かぶ逆さの城。少しずつ、地上から遠のいていく。


「霊夢は…あそこから入ったのか、分かりやすい」


城の一部が崩壊している。陰陽玉でもぶつけたんだろうか…


「よっと。…下を目指せばいいのかな。進むかな…」


下へ続く階段を探しつつ、霊夢の気配を探る。…む、この先で戦闘中のようだ。激しく戦っているみたいだが…おそらくすぐに決着がつくだろうな。





「あら、黄。遅かったわね」

「…えーと、霊夢?踏んづけてるのは…」

「ん、多分黒幕の一人よ。見張っといてくれる?」

「それはいいんだが…他にいるって事か」

「ええ。天守閣にたぶんね」

「…ま、ほどほどにな。僕はこっちから事情を聞いてみる」

「じゃ、また後でね」


…さて、とりあえずのびてるこいつを治療して起こすとするか。


「…先に逃げられないように縛っとくかね」





「くそう、なんだこれは…」

「やっと起きたな。…僕は八雲黄。君の名前を聞かせてくれるか?」

「…はん、やだね。お前に名乗るなんて」

「…じゃあ名無しの妖怪と呼ぼうか」

「…それはそれで嫌だな…」


苦虫を噛み潰したような表情を浮かべながら、こちらを睨みつけてくる。


「じゃ、聞かせて?」

「…鬼人正邪だ」

「ふむ…見たところ鬼か?いや…逆さになって空に落ちる…逆…ふむ」

「な、なんだよブツブツと…」

「天邪鬼か、なるほど。…しかし、ここまでの力は無いはずだが…」

「…はっ、そんな事か。ちょいと小人を利用してやったのさ。それで、幻想郷のパワーバランスをひっくり返して下剋上を…」

「小人?居たのか…しかし、利用、ねぇ…?まさか」


頭に浮かんだのは打ち出の小槌。本当に存在するのか疑問に思っていたが…あるのか!


「ははは、お前が思っている通りさ」

「…なるほどな、まぁ…すぐに終わるだろうけど。ほら、城が落ち始めてる」

「…なんだと…」


戦闘の痕としてあいた穴からの景色に、空以外のものが入り始める。高度が落ち、地上の景色が見え始めていた。


「よっと」

「お、おい!?何するんだ!?」

「ん、ここにいたらぺしゃんこになるから脱出だ。霊夢達は…まぁ、大丈夫だろうな」

「だ、だからって抱える事はないだろう!?恥ずかしいからやめろ!」

「嫌だね」


抱えたまま、穴から外に脱出する。その直後、城は地上へと落ちた。


「危ない危ない…」

「おう、霊夢。終わったみたいだな」

「まぁね。…どうやらこいつは利用されてただけみたいね」


霊夢の頭に、小さな女の子がへばりついていた。…あれが小人か。


「とりあえずそっちは私が神社まで連れて行くから、これの治療をお願い」

「ああ、分かった」

「ふざけるな!誰が…げふっ」


正邪と小人を交換する。正邪は唸っていたが…霊夢の容赦ない陰陽玉腹パンが決まってまた気絶した。


「…治療したのに怪我させないでくれよ?」

「大丈夫よ、妖怪だから頑丈にできてるだろうし。後はお願いね」


霊夢はそのまま神社の方へと飛び去っていく。

…さて、屋敷に一旦戻るとしよう。

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