輝針城:人魚と狼×2と世界樹と
「なるほど…人里で赤蛮奇さんが暴れたのも同じ頃…やっぱり影響を受けたみたいですね」
「今思うとなんであんな自殺行為みたいな事をしたのか…」
「で、吹き飛ばされて打ち上げられて動けずにいたと…」
「普段ならあなたの式神のクーちゃんや、影狼ちゃんあたりが戻してくれるのよね」
「…影狼ちゃん?」
「狼の妖怪よ。普段は竹林の方にいるみたいなんだけど、よく遊びに来るわ」
よく遊ぶ仲、という事は実力も同じくらいか…?だとすれば、向こうも戦闘になっていてもおかしくは…
「…主様、暴走してた…えっと、友達を連れてきたよ」
「…うぅ、式神って怖いわぁ…まさかあんなに強いなんて」
無傷のクーと、ボロボロの女の子がそこにいた。ボロボロの女の子の頭には犬っぽい耳が…
「あら、噂をすれば。この子が影狼ちゃんよ」
「ああ、どうも。すぐに治療しますけど…」
「…あ、ええと…お願いします」
◆
「…ふむ、やっぱり確定かな。僕はあの浮遊するお城に向かおうと思う。霊夢も向かってるだろうからね」
「…分かった、主様気をつけて」
「うん。クーも、二人を頼むね」
「…任せて」
「すごく頼もしいのねぇ…普段は可愛いのに」
「……」
わかさぎ姫は、クーの頭を撫でながらそう言って。
影狼ちゃんは、黙り込んだままで。…おそらく、僕の実力でも考えているのだろう。
「…ま、大抵の事は霊夢に任せておけばなんとかなるだろう。…ならない場合は僕も本気で行かなきゃね」




