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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
28章 主のいない異変
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輝針城:春の訪れの前に

「うーん…だいぶ暖かくなってきましたね」

「そうだね。…そろそろ紫様を起こす感覚も短くした方が良さそうだ」


厳しい寒さが続いた日々も終わり、雪も溶けてきている。…そろそろ春告精のリリーホワイトという妖精が各地を飛び回る頃だろう、挨拶をしておかなきゃな。


「…ん?なんか妙な…幻想郷に何か出てきた?」

「藍様!大変です!!」

「どうした、橙。そんなに慌てて…」

「そ、空飛ぶ逆さのお城が!」

「…えっ?」





「…あー、確かに言った通りだ…逆さの城が浮かんでるし…」

「あと、人里の中でも騒ぎが起こってるみたいなんです。道具が動き出したとか…」

「付喪神かねぇ。僕はとりあえず人里に向かいます。藍様は…とりあえず他の場所、そうだな…白玉楼の様子から確認してください」

「ああ、わかった」


手分けして情報収集にあたった方がいいだろう。…おそらく、異変として霊夢も動いているだろうし…と考えながら人里へ入ると、慧音さんが誰かを押さえつけて縄で縛っていた。傍らには妹紅さんとレティさんも…って。


「…うわぁ、首が取れてる。そこまでしなくても…」

「こ、黄!?誤解だから!」

「ふふ、妹紅ちゃんが炎で吹き飛ばしたら転がったものね、首が」

「……」

「その目はやめてくれ…本当に誤解だから…」

「黄、からかうのはそのあたりに。彼女…赤蛮奇は妖怪ろくろ首でな…能力でこのように頭が分離しているんだ」

「…なるほど。で、何故妖怪が…」

「ああ…彼女も人里に住まう妖怪であったのだが、あの城が出た直後くらいに暴れだしたんだ」

「…ふむ」


何らかの影響があった、ということだろうか。…他の所でも同様の何かが起こっていても不思議ではないな。


「…ぅ、う…?」

「む、気がついたか」

「…あぁっ、私の身体が人質に取られている…」

「目が覚めて正気に戻っていなかった場合の措置だよ。…まぁ、既に正気は取り戻しているようだが。…どうして暴れだしたんだ?」

「よくわからない。けど…あの城を見た途端に力が湧いてきたような気がして…」

「…あれ、慧音さん達は影響受けててもおかしくないと思ったんだけど」

「どういうことだ?」

「…人間には影響がなさそうなので…付喪神になりかけた道具が影響を受けてたのは知ってますけど」

「…私はあまり強くない妖怪だから、ひっそりとしていたかったんだけど…」

「…ふむ、ある程度のレベルに達していない妖怪も影響を受けるのか。慧音さん、たぶん大丈夫でしょう?」

「…いいのか?」

「フラーウムを置いていきますので。何かあればフラーウムを通して連絡をお願いします」

「…わかった」


…さて、じゃあ…情報を共有した方がいいか。藍様に連絡を…


「藍様、そっちはどうですか?」

「黄、すぐに来てくれ!妖夢の使っていた刀が、うぉぉ!?」

「…すぐ行きます」


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