幻想郷:そして氷精は喜ぶのだった
「…すー…」
「…すぴー…」
「わー…持って帰りたい…」
「いや、僕の式ですからね?というか小悪魔の家ってここでしょうに」
レティさん用のアクセサリーが完成して、とりあえずチルノ達に見せようとしたら小悪魔がクーを抱っこしてチルノをよりかからせて幸せそうにしていた。
「とりあえず返してくれないかな?」
「えー…」
「今度一緒に泊まりに来るから…」
「約束ですよー」
「…よっと。…起きなー」
「…んぅ…?」
「ふぁぁ…あれ、あたいなんでここに?」
「チルノ、レティさんに送る物が出来たぞ」
「本当か!?それでレティは冬以外も…」
「ああ、大丈夫だと思う。…そうだな、それと…」
今まで決まった家、というか寝ぐらが無かったみたいだしな。…その辺もサービスしておこうか。
◆
「えー…何これー…」
「家、ですけど」
人里から少し離れた場所、小さめの家を建ててそこにレティさんを呼んだ。
「…ここまでしてくれるなんてねー…」
「チルノも手伝ってくれましたからね。あとは…チルノ」
「うん!レティ、ちょっとしゃがんで!」
「こう、かしら…?」
「そのまましててー…よいしょ…む、なかなかくっつかない…」
「ここに引っ掛けて…そうそう」
「…できた!」
「…あら、綺麗ね…」
雪の結晶をあしらったネックレスだ。核の永久氷晶が淡く輝いている。
「中心に氷の魔力を集めつつ、レティさんの周りを風の幕で覆うようにして冷気を出さないようにしているんです」
「そうなのね…ふふ、ありがと」
「…礼を言う人が違いますよ、レティさん」
「あ…そうだったわね。チルノ、ありがとう」
「えへへー…」
チルノはぎゅーっとレティに抱きついて、頭をすりつけている。…嬉しそうだな。
「これでレティに色々な景色、見せてあげられる!」
「ふふ、そうね…」
「また何かあったり、その道具が何かおかしくなったらすぐ言ってくださいね」
「ええ、そうさせてもらうわね」
◆
「…もぐもぐ…ずるい…」
「え、なんです紫様?」
「…私も、黄から何か欲しい…」
また数日後、ご飯を食べさせつつ事の顛末を話すと、紫様は呟くのだった。
「…何が、欲しいですか?」
「…ん、寝ながらゆっくりかんがえるから…」
「ふふ、わかりました…はい」
「…ん…」
寝ぼけた顔で、お粥をもぐもぐと頬張る。…可愛いなぁ。
「…ちゃんと、準備しておいてね」
「分かってますよ、ふふ」




