新しい名は
「…むうぅ、何故わざわざ…」
「ふふ、いいじゃないの。まんざらでもないんでしょ?」
「んー…藍さん髪サラサラだし…手触りすごいいいですね…」
紫さんに言われるがまま、脱力した藍さんを縁側に運んで、膝枕をしている。
藍さんは顔を真っ赤にしてすごく恥ずかしそうだ。
「しかし…これ、そこまで強力な物だったのか…能力で作ったって事になるんですかね」
「今のところ、それしか考えられないわね。形状によって効果を変えられる武器、ね…」
今、あの剣にも網にもなる武器は…棒アイスのサイズになって紫さんの手元にある。
今の状態であれば、何の効果も無いらしい。
「はい、返すわね。…それにしても、かなり妖力が多いはずの藍が一瞬でぐったりなるほどに妖力を吸い取るとはね…」
「…うぅ」
小さく唸る藍さんの頭を撫でてやると、顔がまた赤くなった。
「ま、とりあえずテストは合格よ。…まぁ、その服に袖を通した時点で合格だったんだけど」
「え、じゃあ最後のは何だったんですか」
「余興?」
「えー…」
紫さん以外、僕も含めて呆れ顔だ。
と、紫さんが体を寄せてくる。
「…コウ、貴方に…八雲の姓を貸しておく事にするわ」
「紫様、それは…!」
「まだ貸すだけよ。慣れてないから、余計に襲われる心配がないようにね。ま…藍を倒しちゃうんだから正式に姓を受け取る資格は…そうね、もっと経験を積んでかしら」
「は、はぁ…」
「さしあたって、コウの名前も漢字で書くようにしようかしらね」
ん、漢字で?
「なんでです?」
「そっちの方が良さそうじゃない。コウ、コウね…んー…」
三人で、紫さんの顔を覗き込むように見る。
「嫌ねぇ、照れるじゃないの」
「そういう視線は送ってないです」
「つれないわねぇ。…そうね、黄…がいいかしらね。今日、この時から。貴方の名前は…八雲 黄よ」
…やっと名称出せた。




