幻想郷:許可は?
「へぇ、チルノがそんな事を…嬉しいわね」
「…それで、まず本人に話を、と」
「…ふふ、嬉しいけれど…でも、私は…」
レティさんは、自分の身体を眺めながら目を伏せる。
「…私は、居るだけで周辺に影響を及ぼしてしまうのよ。冷気が出ちゃって…だから私は、冬以外は洞窟に籠るのだけれど」
「…ふむ。…チルノもたぶん気づいたから僕に頼んだんだろうな…」
「どういう事かしら?」
「僕の力がちょっと関係してまして…来て、アスル」
「はい、主よ」
「…精霊?それもこんなに強い…」
「僕の中には他に精霊が七体、それと…まぁちょっといろいろ知ってる事があるんですよ。その中から応用できそうな事を調べて…」
「…私が冬以外であっても活動できる何かができる、ってこと?」
「そんなところです」
「…すごいわねー…私が洞窟に居た間にそんな人間が来てたなんて…」
「…まぁ、半分ほど人間辞めてるようなもんですけど」
「…主よ、主の主に報告はしなくても良いのですか?」
…あー、そうだった…どうしよう、紫様に報告しないとマズイな。
「…もう数日、待ってて貰えますか?」
「いいわよ、まだまだ冬は長いもの」
「ありがとうございます…では」
さて、どう説明したものか…
◆
数日後、紫様のご飯を食べさせ、身体を拭きながら説明をしたところ…
「…ん、別にいいわよ…」
「あっさり通った…!?」
「冬の間にやる事は、黄と藍の責任になるし…それに、何かあった時は黄がすぐなんとかするでしょ…?」
「…それは、そうですけど…」
「…なら、任せるわよ。…ん、服着せて」
「…わかりました」
背中を拭く手を止め、服を着せて寝かせる。
「…やるからには、ちゃんとやりなさいね…」
「…了解です、紫様」
…なんか、拍子抜けではあるけど許可は下りた。では早速考えるとしよう。




