白玉楼:従者代行、困る。
「うーん、汗がすごいな…」
「着替えないといけないんですけど…けほっ、身体が動かし辛くて…」
「無理しないで。…とはいっても、僕が手伝う訳にもいかないしな…」
…困ったなぁ。幽々子さんや紫様に手伝わせる訳にもいかないし。クー達式神や精霊も今日は呼ばないからと言ってあるからな。
「…ん、門の所に誰かいるみたいだ。ちょっと出てくるね」
「はい…」
とりあえず一度妖夢を寝かせて、来客を迎える事にした。…誰だろう?
◆
「こんにちは。…あれ、黄さん?」
「ん、ルナサだったのか。って事は…」
「私たちも、」
「居るよー」
来客はプリズムリバー三姉妹だった。演奏会の予定だったのか。
「妖夢が体調を崩してしまってね。僕が代わりに手伝いをいろいろとしているんだ」
「…ん、そうなんだ。大丈夫かな」
「寝かせておけば大丈夫なんだが…あ、そうだ。一つ頼みを聞いてくれないか?」
「何かな?」
「…妖夢の着替えを三人で手伝ってやってくれないか?僕が手伝う訳にはいかないし…」
「ふふ、いいよー。私たちもいつもお世話になってるからね」
「ありがとう、助かるよ」
ふぅ、これで問題は解決してくれたな…
◆
「人の着替えを手伝うのって結構大変なんだねー…」
「…ん、そうだね」
疲れた様子で三人が妖夢の部屋から戻ってくる。
「ふふ、ごめんなさいね〜」
「…いえ、大丈夫ですよ」
「今度、何かお礼の品でも送るよ。何がいいかな?」
「…うーん」
「はいはーい!新しい楽譜がいい!」
「楽譜、か」
「…最近、演奏会でやる曲も同じものばかりになってたから。たまにはアクセントも欲しいね」
「…なるほど、分かった。今度外界に行った時に探しておくよ」
「……」
…なんで幽々子さんがジト目になってるんですかね。
「…紫はいいわよねー、外界で美味しいものが食べられて」
「幽々子にはお土産で渡してるでしょう?」
「あれじゃ足りないのよ〜…」
あー、幽々子さんもお土産が欲しかったのね…
「幽々子さんにもお土産を買ってきますから」
「沢山お願いね〜」
「…善処します」
外界でのお小遣いが無くなるくらい買わないといけないんだろうなぁ…はぁ。
「…妖夢はどんな様子だった?」
「…ん、着替えさせたら、気持ち悪さもなくなったし…」
「倒れる前よりは身体が動かせるから、良くなってるみたいだよ」
「ん、そりゃ良かった。…そろそろお粥を作っておくかな」
「その後は私達のご飯もね〜」
「分かってますよ、ふふ」
さてと、じゃあとりかかるとしましょうか。




