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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
23章 日常にもお仕事は潜む
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紅魔館:侵入者

その影は、入り口付近で何かをしているようだ。


「………」

「…こ、これで怒られない、よね…」


この声…まさか…?

気づかれないように、影の中を移動。そして…


「うりゃっ」

「きゃあぁっ…!?」


背後から襟首をつかんで持ち上げてやる。…軽いな。


「…紫陽花、僕の部屋で一体何をしてるのかな?」

「あ、それは、ええと…」


手に持っていたのは、ハサミと細い糸…そして、画鋲などの鋭い針。…これ、悪戯のレベルではないな。


「…どうしたのかな?」

「あ、あううう…その…」

「教えて、くれないかな?」

「…う、あぅ…」

「…っと、気絶しちゃったか。…とりあえず、相談したいが…図書館に居るかな」


紫陽花を抱えたまま、図書館に向かう事にした。…後ろからの視線はいつの間にかなくなっていた。





「…なるほどね、この子が…」

「…恐らく…命令されたんじゃないかな、と」

「それで、どうするの?」

「…起きたら、この子に話を聞いてみようかと。あの二人に聞かれないようにどこか…屋敷に一度連れて行こうかと思っているんですが」

「…ええ、お願い」


図書館で、パチュリーさんに紅茶を入れていた咲夜さんに報告をしておいた。…紫陽花はソファに寝かせている。


「…咲夜、最近忙しそうだったと思ったらそういう事だったのね。…自白剤くらいなら作れるけど」

「あ、大丈夫ですパチュリーさん…こういうのはちゃんと自分から言わせないとダメなんです。皆のためになりませんから」

「…そう、分かったわ」


さて、紫陽花が目を覚ますのを待つとするかな…。


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