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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
22章 異変の裏にてアフターケア(星蓮船編)
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星蓮船:かくして命蓮寺の住人は増える

宴会が終わり、あの船が人里の少し離れにお寺になった後…僕はクーと神社に来ていた。


「それで、あいつらはどうしてる?」

「結構馴染んでるよ、問題はないかな」

「…優しい人だよ」


クーはお寺が出来て早速行ってみたらしい。

お寺の名前は命蓮寺。…妖怪の方が多いみたいだけど。


「ふーん…そう」

「…ところで、あの謎物体…どうやら飛倉だったみたいなんだけど、どうしてあの謎物体に変化してたんだろうね」

「…もう異変は終わったから私は動かないわよー。魔理沙あたりが不完全燃焼だと思うから誘ったら?」

「んー…そうだな、行ってみるか」





「へぇ、そうだったのか…確かに不完全燃焼だったしな」

「んじゃ、協力してくれるか?」

「おう、面白そうだしな」


魔法の森、魔理沙の家を訪ねて聞いてみると、快く了承してくれた。


「で、報酬はなんか出るのか?」

「そうだなー…なんか欲しいものとかある?」

「んー…研究用の珍しいキノコが欲しいな。えーと…」


魔理沙は本のページをめくり…あるページで止まった。


「このキノコなんだけど、幻想郷には生えてないみたいなんだ。魔法薬のいい触媒になるみたいなんだけど…」

「…わかった、終わってから探しに行くよ」

「おう、ありがとうな。…しかし、どうやって探すんだ?」

「…ここに、一個だけ謎物体があるんだよ。これの匂いを辿る」

「匂いを?」

「…クー、お願い」

「…うん」





どうやら移動して回っているようで、すっかり夜になってしまった。

スキマから取り出した軽食を三人で食べつつ、さらに辿っていく。


「んー…見つからないな」

「…ん、アレ…なんだろう?」


そこにあるのは、浮遊する光の玉。

遠ざかるように移動しているようだ。


「…魔理沙」

「おう!彗星『ブレイジングスター』!!」


光の玉に向かって突進する魔理沙。そして…


「…ぐえっ!?」

「…なんか声が…」

「初っ端から轢き逃げか、容赦ないな…」

「おおう、光の中になんか居たのか…って、見たことないやつだな?」


光の玉が地面に落ち、消えると…黒髪の女の子が出てきた。背中から赤と青の何かが生えてる。


「…どうする?」

「どうしようかな…飛倉に何かしたのは多分この子だから、命蓮寺の誰かだったら知ってるかも。運ぶかね」

「私の仕事は終わりでいいのか?」

「うん、ありがとう。報酬は今度渡しにいくから」

「おう、じゃあなー」


魔理沙は箒に乗って、飛び去っていった。…さて、じゃあこの子を運んで…あれ?


「…主様、行こう?」

「…そうだな」


クーがもう背負ってた。だんだんたくましくなってきてるなぁ。





「ぬえ!?」

「あー、やっぱ知り合いだったのね…」


運び込んだらすぐ反応したのは村紗と一輪だった。


聞くと、地底に居た頃の知り合いだったらしい。地下と地上が繋がった、間欠泉の騒ぎの時から姿が見えなかったようだが…


「どうしてぬえが…?」

「あー、あの謎物体…飛倉の匂いを辿らせたら…」

「…なるほどね、ぬえの能力で飛倉がこの状態に…」

「ある意味、ぬえのおかげで聖が復活できたのかもね…」

「う、うーん…?」


ん…ぬえの意識が戻ったようだ。


「…あれ、村紗に一輪…?」

「ぬえ、久しぶりだね」

「そう、だけど…うーん…?私森の中に居たはずなのに…」

「黄が運んできたのよ」

「…黄?」


ぬえはこっちを見てくる。…すごい凝視してくる、ちょっと怖いな。


「…せっかく逃げてたのに、何してくれるのさ」

「事故に遭った妖怪を拾っただけだよ」


多分後でバレるけど、うん…とりあえず今はね。


「あ、ああそう…」

「…大丈夫?」

「うわっ!?何?」


村紗と一輪の勢いに押されてクーに気づいてなかったみたいだ。すごい驚いてる。


「痛いところ、ない?」

「…ないけど…」

「…よかった」

「…うう、何この可愛いの…」


あー…抱きついてすりすりされてる…それやられると可愛さで何もできなくなるんだよな…。


「とりあえず、ぬえ…このままここに居なよ。知り合いが居た方がいいでしょ?」

「え、いや…」

「せっかくまた会えたんだしさ!」

「…うう、わかったから…」


…ふむ、また命蓮寺に妖怪が増えたけど…楽しそうだからいいか。







「はい、報酬のキノコだよ」

「おお、ありがとうな…で、捕まえたあいつはどうなってる?」

「命蓮寺で元気にしてるよ。クーの遊び相手にもなってくれてるみたいだしさ」


魔理沙の家の玄関先で、報酬を渡しつつ話をする。


「ただなぁ…クーに変な事教えるのはやめてほしいかな」

「例えば?」

「いきなり驚かせようとしてくるんだよ。…耳とか尻尾が見えててバレバレなんだけどな」

「へー…」

「とりあえずぬえには美味しい物あげたら困惑してた」

「…そりゃ困惑するだろうよ、悪戯でやってるのにお礼されたら」

「それもそうか、ははは」




ちなみにたまにシャレにならない悪戯を教えてきた時は直接言うのでは無く聖さんにチクる。…次の日のぬえはぐったりしている。



次回は紅魔館にお呼ばれ。異変と日常的な何かを交互にお送りします。

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