星蓮船:封印を解く時
○船上空
甲板に、僕と一輪さん、村沙で出てきた時には、既に霊夢と…誰かの決着が付いていた。
「…ふむ、既に霊夢が勝った後だったか」
「あら、黄…来てたの?それとも船に乗り込んでたの?」
「紫様に頼まれて霊夢が倒した妖怪のアフターケアだ。…ここに倒れてるのは今倒した所か」
「うん、そうだけど…どうやら誰かを復活させるらしいわよ?」
「…聖が、復活さえすれば…」
「ご主人、しっかり…!」
ボロボロになった、虎っぽい女性を、鼠の妖怪だろうか…支えようとしている。手にしている宝塔だろうか…強烈な力を封じ込めてあるな。あれを使って復活させるのか。
「ほら、私が持ってたこれを使って復活させてみなさいな。倒すから」
「大口を叩けるのも今だけ…っ、う…」
「ほら、やってみなさいよ」
「…これでは、足りない…!」
霊夢が渡したのは謎物体だった。…あれも必要だったのか。
「えー…黄、持ってない?」
「持ってるよ。船の中に漂ってるのも回収しといたし…これで足りますか?」
「…ありがとう、ええと…」
「八雲黄、幻想郷の管理者の従者だ」
「…虎丸星だ、この恩は忘れないよ…」
星さんは、すぐに集中し始める。邪魔をしてはいけないだろうな。
眺めていると、自然と隣に鼠の妖怪が立っている。
「…ナズーリンだ、よろしく」
「うん、よろしく。…復活する彼女の思想は、なかなか難しいんじゃないかな?」
「…ん、知っているの?」
「ちょっと過去を調べたんでね。詳しい能力はこれが終わった後にでも誰かに聞いてくれ」
「…分かったよ」
そのまま眺めていると、結界のようなものが破れていく。
中から、女性が千年前と、変わらない姿で出てきた。
「ああ、法の世界に光が満ちる…」
さあ、霊夢。異変の仕上げ、きっちり頼むよ。




