元の世界の処遇
「…うーん」
「何か考え事?」
「…いろいろと」
「…もしかして、向こうの世界を浄化しよう、と考えてたりする?」
「…やっぱりお見通しでしたか」
縁側で紫様とお茶を飲んでいたのだが、どうやら顔に出ていたようだ。
僕は、向こうの…僕が居た元の世界をどうにか瘴気の獣達から救おうと考えている。
「…生き残りはいないわけでしょ?だったら…」
「精霊玉を取り込まなくてもこちらに来てしまう奴がでてくるかもしれない、と思うと元凶をしっかり叩いておいた方がいいと思いまして。というか何年か経ったら確実に出てきます。奴ら、食いあって強化してますから」
「…それもそうよね。できるの?」
「うーん…生き残りがいない事はほぼ確実なので一気にあの世界をリセットする方向で考えています」
「リセットって…」
「…そうですね、こちらの地球で考えると海に生物が出だしたあたりまで」
「…えー…」
世界樹の力と、精霊の力を組み合わせて向こうの世界にもあるはずの龍脈へと打ち込めば、龍脈を伝わって力が伝わり一気に浄化されるのだ。
その力があまりに大きいために、いろいろと影響が出てそうなってしまうのだが、向こうにいるのは瘴気の獣オンリーだ。
「…絶対こっちで試したりしたらダメよ?」
「分かってますって。…大事な場所で実験なんてできませんから」
「…なら、いいんだけど。あと、それやってすぐに戻ってこれるの?」
「はい、だから一番手っ取り早いんです」
「…ちなみに、他の候補は?」
「同じような方法が二つあるんですけど、それやると完全に世界が終わるといいますか…生物が完全に住めない環境になるんですよね、片方は絶対零度の世界に、片方は灼熱と焦土になります」
「…えぇー…」
「あとは一体ずつ狩る地道な方法もあったりはするんですが、やろうとすると二年ほどかかる上に生物が発生しないんで一緒ですし」
「…結局、リセットしか方法がないのね」
「そうです」
結局、一種の生物のみが生き、世界を蝕み、食い合う世界になってしまっている状態ではどうしようもない。
…さて、じゃあお昼ご飯を食べたらちょちょいとやってしまいますか。




