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天界巡回部隊
「とりあえず警戒しつつ天界の中を巡回していくしか無いのかな…」
「結局そうなるわね。…黄、予兆みたいなのはあるのよね?」
「そう、ですね…黒い靄が突然広がり始めたら、その中心に瘴気の獣が現れます」
「ん、私も手伝おうかねー。…それっ」
萃香さんが、気の抜けたような掛け声を出すと共に小さく分裂して天界中に散らばっていく。そのうちの一人が、僕の肩に乗った。
「私達の誰かが見つければ、すぐに知らせられるよ」
「ありがとう、萃香さん」
「お礼はお酒でいいからねー」
「…わ、わかりました」
すぐに紫様に視線を移すと、仕方なさそうな表情で頷いていた。たぶん、外界のお酒でも用意するのだろう。
「ちょっと、そんな緩い感じで大丈夫なの?」
「大丈夫と言われても…向こうが出てこないと手の出しようがないですからね。被害は最小限に抑えますし…攻撃の余波だったりなら天子さん達でも大丈夫ですから、手伝ってもらいます」
「うぐ…分かったわよ」
さて、早く出てこい。すぐに…倒してやる。




