従者の務め?
「クー、そっちで眠っちゃだめだよ…こっち来なさい」
「…はーい…」
食後、お茶を飲みながら結構話し込んでしまっていた。…クーはいつもなら寝てる時間か。
「…よしよし」
「…すー…」
「…寝顔可愛い…」
「そうだねー…」
「…ふふ」
早苗さん達もクーの寝顔を見て顔がにやけっぱなしだ。
「さてとー…そろそろ帰らないとなぁ。心配かける訳にもいかないし」
「今から帰るとしても…あ、黄さんはスキマみたいなものが使えるんでしたね」
「うん、空間魔法でね」
空間魔法で屋敷の玄関へ繋ぐ。
「便利ですねー…」
「そうだねぇ」
「これがあるからいろんな所に足を伸ばせたりしますからね」
「私たちも使えたらなぁ…」
「うーん…闇の魔力が扱える事が前提条件になりますけどね。というかこんなホイホイと使える代物じゃないのよってパチュリーさんに半ギレされて大変だったんですから」
危うく嫉妬の炎で燃やされる所だった。
「そっかー…神力じゃ再現は難しそうだね」
「そうですね…」
「…じゃ、僕はそろそろ。散らかしたままですけど…」
「あ、いいんですよそれは…ではまた」
「はい、お邪魔しました」
◇
屋敷に帰ると、紫様が酔っ払っていた。
「あー…やっと帰ってきたわね…」
「紫様なんでそんなに飲んでるんですか…」
「今日の夜は黄と一緒に飲もうと思ってたのに帰ってこないから〜…」
…うぐ、そうだったのか…
「…ごめんなさい」
「そこに正座しなさい」
「はい…」
紫様のすぐ前に正座させられる。…暴力だけは勘弁してほしいかなぁ…
「いい?貴方は私の従者なの」
「はい」
「私を一番大切にしなきゃいけないのよ?」
「…はい」
「…黄、貴方は…私の大切なものに入っているんだから…心配かけさせないで」
「…はい」
不意に、包まれるように抱きしめられる。
「…紫様、苦しいです」
「今日私と飲まなかった罰だと思いなさい」
「…はい」
すぐに拘束は解かれたが…今度は紫様が両手を広げて待っている。
「…これでいいんですかね」
「…ん、そうよ」
…僕が自分から紫様を抱きしめたのは初めてかもしれないな。
「…藍以外にさせたのは初めてよ」
「それは…光栄ですね」
「…今日はこのまま寝かせて」
「はい、紫様」
紫様が甘えてくれてる…のかな。
悪い気はしない…むしろとても気分がいい。
紫様のために、これからも頑張ろうと思った。
オリジナル小説の設定詰め中だったり。たぶん8月上旬あたりに序章くらいは投稿できるんじゃないかな。




