客室にて
「ほんっとうにすまんかった!!」
目覚めて最初に飛び込んできたのは、ひたすら謝る大天狗さんと、僕と大天狗さんの間に入るようにして立っているクーと椛だった。
クーの尻尾の毛が逆立っていて…これは怒っているようだ。
「…ん、主様起きた。…大丈夫?」
「あー…大丈夫っ、と…まだ痛いかな」
『鎧通し』をくらった腹は痛むが…まだ我慢できるレベルだな。
ふと横を見るとジリョーヌイが、やれやれという表情でこっちを見ていた。
「あまりに楽しかったもんで、加減をすっかり忘れておった…危うく死なせるところじゃった…」
「えー…」
「…主様に大怪我させたから、嫌い」
うん、クーが怒っているのは分かるんだけど…なぜ椛まで怒っているのだろうか?
「大天狗様、あそこまでやる必要はないでしょう?」
「む…それは分かっておるのじゃが…」
「分かってなかったからこうなったんですよね!?」
「あうー、黄、助けてくれー…先刻柊からも同じように説教されて…」
「逃げようとしてもダメです!」
「ひぃぃい…」
「…どっちが上司なんだか分かったもんじゃないな」
寝かされていた布団にもう一度寝転ぶ。…まだまだ僕は強くない。もっと…紫様の従者として相応しくなれるように精進しなければ。
「大天狗様、聞いているんですか!」
「分かっておる、分かっておるから耳元で叫ばんでくれぇぇ…」
「…クー、おいで」
「ん、主様」
「頭撫でさせて…それで癒されるから」
「…わかりました」
ああ、もふもふもふもふ…やっぱり肌触りがいいなぁ。




