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東方黄明譚  作者: k.Yakumo
20章 山の住人との交友関係
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天狗訓練EX・可動式要塞(不完全)

柊さんと打ち合いしてる時からウズウズしてたもんなぁ、大天狗さん。

手には朱塗りの槍を持っているが…なんというか、威圧感がすごいな。


「ふふふ、負ける気はさらさらないからの。全力で相手をしてやるとするかの」


ヒュンヒュンと風切り音を立てながら槍を振り回す。…先の部分が見えないくらいの速度で。


「…分かりました。僕も…使える手は全て使ってやりますよ」

「…ふふ、では…いくとするか、のっ!」


一気に間合いを詰めて、突きを繰り出してくる。単調ながら恐ろしく速い。ギリギリで躱した…はずだった。


「ぐっ!?」


何故か背後からの衝撃。転がりながら見ると、いわゆる前蹴りを終えた体勢で大天狗さんがそこに居た。


「むぅ、このくらいは避けんか」

(…ぐぅ、速すぎるんですけど…)


おそらく周りの天狗達の半数以上が今の大天狗さんを捉えられていなかったようだ。


「…けほっ。…では、改めて…」


持ちうる精霊の属性、七つのうち光と闇以外の五つの強化を一気に発動。…身体が軽く感じるな。


「はあっ!」

「むぅ!?」


意趣返しとして、槍に変形させた武器で突きを放つ振りをして…背後に周り、蹴飛ばす。大天狗さんの場合、あまりの速度に残像が出るほどだったがそこまでは出せないので、途中で空間魔法による瞬間移動を使って速度を底上げした。

怯んだ隙に武器を変形、短刀二振りでの高速斬撃を試みる。


「ぬう、まだまだ…!」


リーチの長い武器は懐に入られると弱い、という概念は彼女には通用しないのか…全て防がれた。


「アレを凌ぐんですか…」

「伊達に大天狗として上に立ってはおらんよ。…じゃが、儂よりももっと強い天狗は沢山おる。儂は下の上、といったあたりかの」


天狗社会とんでもないな。


「ならば…これはどうじゃ」


突如として巻き起こる風。…全てに魔力、いや妖力の刃が仕込まれている!

防ぐために球状の盾を出したが、まずいな…動けない。


「亀じゃあるまいし、引きこもっておらんでどうにかしてみせんか!」


そう言われても、今解除すればズタズタになるだろうなぁ。…ん、そうだ。この防御をしたまま動ければいいのか。ならば…


「…む、なんじゃ?」

「…主様、何してるのかな…」

「生き物みたいに動いていきますねー…」


イメージするのは、継ぎ目すら無い全身鎧。完全に僕の身体を覆う防壁。


「…むう、その武器…そのようなこともできたか」

「ぶっつけ本番でしたけどね…」


おそらく、白と黒の鎧を着込んだ姿になっているであろう僕の姿。

その鎧から剣を直接生やし、対峙する。


「…ふむ、その発想は良し。じゃが…」


ドゴン、と腹部に衝撃。

肺の中の空気が一気に吐き出される。


「いつつ…『鎧通し』じゃ」

「げふっ、ごほ…」


やっぱり強いな…そう思いつつ、僕は、心配そうな顔で駆け寄ってくるクーを最後に視界に入れて…地面に叩きつけられた。

彼の本当の強さは、精霊が揃わないと発揮されないのです。…揃ってからが、お楽しみ。

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